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編集長インタビュー

農家と二人三脚でアフリカの干し芋を輸出産業に育てていきたい

かつて長谷川竜生という社員がいたことを覚えていらっしゃるだろうか。彼はいま、東アフリカのタンザニアで農業ビジネスに取り組んでいる。遠い異国の地での数々の困難にも屈せず、本誌が掲げるメイド・バイ・ジャパニーズを軌道に乗せようと必死になっていた。 文/平井ゆか
昆吉則(本誌編集長) 長谷川君は、アフリカのタンザニアで干し芋を作って日本で売ろうとしているんだよね。
長谷川竜生 はい。日本の干し芋市場では2005年をピークにして、国産1万t、中国産1万tが出回っていました。それがいまは国産の流通量はそのままで、中国産は4000tぐらいに減っています。ニーズがあるのに供給できていない6000tの枠をアフリカで作って狙っていきたいと思っています。ただ、日本の干し芋はレベルが高いですし、干し芋を食べる人たちは食べ物にこだわっている人たちですから、アフリカの在来品種を加工したものでは受け入れてもらえません。いまは日本で干し芋用に育種されたサツマイモの品種を、タンザニアで品種登録しようとしているところです。
昆 安くても品質が良くなければ売れないということだね。
長谷川 そうです。ただ、品種登録には時間がかかるので、まずは現地の芋で芋けんぴを作って現地で売っています。
昆 芋けんぴなんて、タンザニアでは初めてでしょ?
長谷川 はい。最初の一口を食べてもらうのが大変ですが、一度食べればみんなファンになってくれます。新規取引先のスーパーでは、小さいパッケージの商品を無料配布して食べてもらいながら顧客を増やしています。味付けは日本の芋けんぴが基本ですが、何度も試作して現地の人々の嗜好に合うようにしてあります。いまは販売先を代金回収がしやすいスーパーに絞っていますが、将来的には東アフリカ全体に拡大していきます。とはいえ、現状はどうにか赤字を出さない程度の売り上げで、まだ自分の給料も出せていない状況です。
昆 自分の給料はどうしているの?
長谷川 自分の給料はコンサルティング業(後述)で稼ぎながら、現地で手に入りやすいマンゴーやバナナ、パイナップルでドライフルーツを作っています。
昆 売り先はどこなの?

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