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編集長インタビュー

農家と二人三脚でアフリカの干し芋を輸出産業に育てていきたい


昆 理想を持っていなかったということだね。長谷川君はどうやっているの?
長谷川 私は事業を始める前に、いくつか倒産した工場の廃墟を見に行きました。外国企業の場合は原料供給ルートを確保しないうちに過剰投資し、キャッシュが回らずに倒産したと思われました。地元企業を援助機関が支援して始めた工場は、エコとかソーラーとか流行のキーワードに振り回されて設備が貧弱で、肝心の商品の品質が低すぎ、その後の工場の建築規準の変化についていけずに倒産していました。そこから学んだことは、規模は極めて小さく、でも中身はピカピカの工場を作り、先進国の人でも喜んで買うような商品を作ることです。これまでなんとかやってこられたのは、そういうトタン屋根の工場で、政治家や地元の有力企業とかかわらずに、独立独歩でやってきたからだと思います。悲しい話ですが、いまアフリカへの農業投資は注目されていて、そういうところに群がってくる人たちがあるわけですね。
昆 集まってきて食っちゃうんだ。
長谷川 はい。だから、政治家の視察やメディア取材の依頼は基本的にお断りしています。政治家が黒塗りの車なんかで視察に来られたら、お金の臭いを嗅ぎつけられますからね。近所の住民からも妬まれる。とにかく注目しないでくれと。とりあえず当面はこのままでいいと思います。
昆 いつかそれをクリアしていかなければいけないから悩みどころだね。
長谷川 そうですね。将来的には会社を大きく育てていかなければなりません。そして、一つの会社としての成長ではなく、産業にしていきたいと思っています。ケニアでは日本人が始めたマカダミアナッツ工場から社員が独立し、いくつもの工場が設立され、いまでは世界でも有数のマカダミアナッツの産地になっています。マカダミアナッツ農家も含めて何万人という人々の生活を支えています。
昆 長谷川君の会社の従業員は?
長谷川 タンザニア人の社員が11人います。日本人は私1人だけです。彼らは親族をとても大切にするので、自分の子供も働ける会社かどうかということはものすごく大事なことです。社員の1人はもともと取引先の経営者だったのに、「俺の息子がここで働けるように、一緒に会社を創ろう」と言って弊社で働いてくれています。私たち日本人はアフリカでは“よそ者”です。また、日本人はモノづくりには優れていますが、商売の駆け引きは下手です。そういう国民性だから西欧人とも中国人とも違うアフリカとのかかわり方があると思っています。産業を育てることを目的として、築き上げた既得権益に執着せず、一つの事業が成功したら次を生むことを始めるというのが適しているのではと思います。

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