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農業は先進国型産業になった!

JA共販と競争し地域を支える産地市場 (株)岩井中央青果(岩井市場)

茨城県坂東市の岩井地区は県内屈指の野菜産地である。首都圏の野菜基地だ。夏ネギやレタスが有名である。競争力があるため、JA岩井は広域合併することなく、頑張っている優良農協だ。この地に、「岩井中央青果」という株式会社がある。地域の農家が販売のため生産物を持ち込む産地市場(地方卸売市場岩井市場)だ。JA岩井の野菜予冷センターとわずか100mしか離れていない場所である。JAがあるのに何故、産地市場があるのか。どんな役割を果たしているのか。
隣接して、二つの集出荷施設が立地している。農協と産地流通業者(岩井市場)だ。農家はどこに出荷するか。農家は当然、自らに利益をもたらす施設に出荷する。両施設は競争関係にある。JA共販体制と株式会社の産地流通業者が互角に競争している。両者が切磋琢磨することが、地域農業を発展させているのではないか。
一方、JA共販の規格から外れた農家も産地市場に集まる。つまり、“補完”の関係もある。JA共販と産地市場の「競争と補完」の関係を明らかにしたい。

(1) 二つの集出荷施設
-JA共販に匹敵する規模の産地市場-

坂東市岩井地区には、わずか100mしか離れていない場所に、二つの集出荷施設が立地している(坂東市鵠戸)。JA岩井の野菜予冷センターと株式会社岩井中央青果(富岡孝康社長)が運営する産地市場(岩井市場)だ。2016年度の青果卸取扱高はJA岩井91億円、岩井市場84億円である。ほぼ同額である。両社とも伸びている。
図1に見るように、両者の販売額は同様に発展している。岩井市場の販売金額は04年の69億円から、16年84億円(消費税別)に増加した。両者合わせると170億円の巨大市場である。子細に見ると、岩井市場のほうが作物の豊凶に伴う市況変動の影響が大きい。
岩井市場に集荷される青果は、岩井地区生産の青果だけではなく、旧猿島町、八千代町、古河市、境町、結城市、旧石下町など茨城県県西地区一円、さらに利根川を越えた千葉県野田市からも集まってくる。
岩井市場に出荷している農家数は約800戸である。(JA岩井の園芸部会員は423戸)。そのうち、親戚単位や集落単位で組織された農事組合員は470~480戸(組合数83)、その他300戸である。その他とは、タケノコだけ、シイタケだけなど、その時だけ出荷する兼業農家や、小豆やササゲなどを栽培し市場に出す高齢農家などだ。

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