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今年の市場相場を読む

秋になればイモクリナンキンの旬 サツマイモ/クリ類/カボチャ/干し柿

秋になれば、イモ・クリ・ナンキンなど甘い青果物の旬になる。夏場に崩した体調を取り戻すシーズンでもある。少しするとカキも参加してくるが、ドライフルーツにすると甘さダントツの干し柿も冬に向かっての楽しみだ。青果物の甘さは果糖などが中心で、直接肥満の原因にはならないというが、甘さを心配するより含まれる多くのビタミン、ミネラル、繊維質などの栄養・機能性成分を摂取できる、二度おいしい食品であることが肝心だ。そのまま食べても調理や加工食品にしても、この甘さは砂糖不要である。そんな理由で底堅い支持がある“イモクリナンキン”の類の動向を見てみよう。

サツマイモ
優良品種が入荷増。単価も上がる焼き芋ブーム

【概況】
東京市場におけるサツマイモは、07年対16年の実質10年間で、入荷は3%程度ながら着実に増えており、単価も同時期の対比で22%も高くなった。年間を通じて3%程度の増加ながら、大きく異なるのは出回り時期だ。10年前には特に秋以降冬にかけて入荷が増えていたが、16年では年明けから春先までの入荷増が著しくなった。主産地は変わらず半分以上のシェアがある千葉で、茨城が3割を超える成長ぶりだ。
【背景】
青果物全体に市場経由率や入荷そのものが減る中、横ばいから微増なら、大きな伸びだといえる。しかも単価が高くなっているのは、甘くてねっとりした、焼き芋に向く優良な品種が増えているからだろう。安納芋やべにはるかが代表的な品種だが、焼き芋専用品種的な品種開発やブランドも登場している。年明けから春までの時期が増えているのは、青果物商材が少ないため量販店では近年、焼き芋機を設置し販売に力を入れているからである。
【今後の対応】
サツマイモには「キュアリング期間」が必要だといわれる。本来の意味は掘り取った後の傷を治す(curing)という意味だが、高温多湿で3~4日置いたあと、13~14℃の適温を保つのがキュアリング貯蔵法だ。これで芋のデンプンがショ糖などに変化し、タンパク質の加水分解も進むため、粘質となって甘味が増す。大分では、べにはるかを4カ月貯蔵して糖度20度に達したものを「甘太くん」ブランドとする。各産地の焼き芋合戦が楽しみだ。

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