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イベントレポート

フランスと北海道の産業用大麻(ヘンプ)ビジネスを学ぶ/日仏ヘンプ国際交流シンポ

(一社)北海道産業用大麻協会(HIHA)は、フランスと北海道の産業用大麻(ヘンプ)ビジネスを学ぶ目的で、7月24日に東京で日仏ヘンプ国際交流シンポを開催した。2つの講演に続き、3つの情報提供という盛り沢山の内容で、40名の参加者からは質問が相次ぎ予定時間を超える白熱したシンポジウムとなった。
冒頭、HIHA代表理事の菊地治己氏が「北海道のヘンプ産業の構想と
課題」と題して北海道での大麻に関わる取り組みの経緯と、国内のヘンプ産業を取り巻く状況等を報告した。続いて、フランス産業用ヘンプ生産者連盟(FNPC)のゼネラル・マネージャー、フェブリエ・クリストフ氏が登壇し、ヨーロッパ、とくにフランスでのヘンプ産業発展について通訳を介して講演した。
その後、高安淳一氏(大麻繊維研究家、大麻博物館・館長)から「縄文時代から続く日本の大麻文化」の解説があり、ヘンプシードの魅力を伝えたのは那奈なつみ氏。パトリック・コリンズ氏(麻布大学生命・環境科学部教授)は「産業用ヘンプを巡る法律問題」と題して、世界の産業用ヘンプの法規制の変遷を示し、日本以外の先進国では産業用ヘンプが「普通の農作物」に戻っているのに、日本ではその対応が遅れていることを指摘した。

近年、急速に広がりを見せる
産業用ヘンプの利用と生産

第二次世界大戦以前の日本では大麻栽培が盛んに行なわれ、暮らしのあらゆるところで大麻製品を使っていた時代があった。しかし、戦後のGHQの統制下で大麻は取締規制の対象となり、栽培を含む無免許での取り扱いが禁じられたことで、国内での栽培は約5haにまで減少した。
菊地氏は北海道立上川試験場の場長を退職した後、ヘンプに産業的な可能性を感じて「北海道の基幹作物にしたい」という思いで、研究者免許を取得するなど、ヘンプへの関わりを深めてきた(現在、研究者免許は保有していない)。
ヘンプは高さ5mに成長し、乾物重にして50t/haを超える。バイオマスプラントとしての可能性は計り知れないという。菊地氏が代表を務めるHIHAは、世界の最新動向を得るために、ヨーロッパで開催される国際会議に参加したり、先進事例の現場を訪ねる視察ツアーを企画したり、地道な活動を続けてきた。ヘンプ産業の経済効果に期待し、商業ベースでの展開を模索している希少な存在である。

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