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人生・農業リセット再出発

サランラップ


サランラップは「包む」以外に、多方面で役立っている。災害時の断水では食器にラップを敷いて使えば汚さずに洗う必要がなく衛生的だ。屋外避難生活や遭難緊急時では身体に巻けばかなりの保温効果もあることは航空会社でも教育する。ケガの応急処置や骨折の固定、ロープに転用、クシャクシャにして身体や食器洗いのタワシ替わり、油性マジックで文字を書いて貼り付ければ伝言板に。排泄物や生ゴミなどの処理と汚染対策など万能である。これはもう緊急用に車にも一個は必ず用意しておくべし! 切り口がわからなくなった時は、コンロの弱火にサランラップの芯をかざすと切り口が浮いてくる。乾いたスポンジでしごくか、濡れた布でこするともっと簡単である。
アメリカの化学製品発明で大きく世の中を変えたものに『ナイロン』もある。女性のストッキング素材は、昔は絹が定番であった。絹糸の生産は富岡製糸場などに代表され、圧倒的に日本の独壇場だった。問題は、絹糸がちょっとした拍子に伝線したら大慌てすることになり、高価でも淑女にとっては必需品であった。そこに貴重品から消耗品へ変革させる大発明が1935年になされた。デュポン社のウォーレス・カロザースが、石炭と水と空気から奇跡の繊維ナイロンを発明する。“鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い”をキャッチフレーズに一世を風靡した。大量生産で価格も安くなり、それまで綿花など天然素材しかなかった繊維業界を一変させた。このあたりから絹の産業衰退が始まった。
東洋の小国である日本の絹が世界の女性を独占していることを快く思っていなかった米英は、世紀の大発明に、ここぞとばかり日本に反撃ができるようになった感慨を込めて名前を付けた。お互いの都市である「New York」と「London」をもじって「NY+LON」で『NYLON』!
因みに、絹を中国語で発音すると「ス~チョ~」と聞こえるが、これが『東方見聞録』を書いたマルコ・ポーロなどの欧州人には、「シ~コ~」に近い音に聞こえて「SILK」になり、「絹の道・Silk Road」となった。

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