記事閲覧
昆 先日、日仏ヘンプ国際交流シンポで、シャルル・ド・ゴール元大統領が農業政策として麻栽培を支援したという話を伺いましたが、まさに象徴的だと思いました。非常に独立心が強い彼なら、米国に対して自分の態度を持ち続けられたのだなと。
コリンズ そうですね。ちなみに中国やロシアは影響を受けていないので、麻の栽培は続いています。
【産業用ヘンプの障壁は大麻取締法の既得権益か】
昆 産業用ヘンプがマリファナなどと線引きされるようになった経緯を教えてください。
コリンズ まず麻という植物は約1000種類あります。そのなかで麻薬成分を含む種類と含まない種類があって各国で法律はバラバラですが、産業用ヘンプ、医療用大麻、そして嗜好用(娯楽用)大麻の3つの種類に分かれます。米国では4年前に産業用ヘンプの法律が更新されて、合法になりました。医療用はもう20年前からカリフォルニア州で解禁になって以来、いまでは半分以上の州政府が許可しています。
昆 カリフォルニア州ではかつてのワインだとかを抜いて、金額的には麻が一番の農業生産物になっているんですよね。
コリンズ それはだいたいTHCを多く含む医療用でしょう。米国では医療用はOKでも、産業用ヘンプは許さない時代が長く続いていました。でも、ドイツの安全基準が規定されて、その後、米国以外の国々は産業用ヘンプの規制をどんどん解いて受け入れていきました。それで、とうとう米国も13年に法律で産業用ヘンプと医療用、嗜好用を区別することになったんです。
昆 日本には麻の歴史があって、農業のなかでも医薬品分野を含めて、非常に産業的な可能性の大きなジャンルだとわかっているのに、米国の影響が強くて、戦後に押し付けられた大麻取締法で麻は全面的に規制されています。厚生労働省には警察権を持つ麻薬取締官がいて、法務省からしたら警察でやりたいところでも厚生労働省が既得権益を手放せないのではないかと私は勝手に想像しているのですが――。
コリンズ 私も最近はそう思うようになりました。マリファナ成分がTHCであることがわからないうちは区別できなかったけれど、21年前に産業用ヘンプはTHC濃度を0.3%未満の品種に限定するという国際基準ができてからはもう危なくないわけです。日本で産業用ヘンプを栽培できなくても、国民の利益は何もありません。でも、製薬メーカーは影響を受けるんですね。
昆 そうですか。その話題についてもう少し詳しく聞かせてください。
会員の方はここからログイン
編集部
特集
ランキング
WHAT'S NEW
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2020/12/17)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2020/08/07)
