ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

産業用ヘンプの世界の最新動向


コリンズ 米国政府が公表した特許があります。麻由来の化学成分であるカンナビノイドがアルツハイマー病の役に立つという内容で、これは医療用大麻ではなく、THCの少ない産業用ヘンプに含まれるカンナビノイドについての特許です。2003年に出願されたものですから、日本の薬事行政でもわかっていることです。日本でもすでにアルツハイマー病の薬はありますが、それは実際には治すことはできなくて、症状を抑えるだけです。なので、カンナビノイドに効果があると製薬メーカーは薬が売れなくなるので困るというわけです。
昆 厚生労働省はもちろん、わかっているはずですよ。それでいて、大麻がありとあらゆる違法薬物依存を導くみたいなことを言ってあえて、先進国の中で世界の潮流に逆らっているわけですね。
コリンズ ガンの薬も同じくらいあります。アルツハイマー病とガンにカンナビノイドが有効であるという書籍も出ています。米国でも産業用ヘンプの栽培を許可するまでに10年かかりましたが、米国で解禁された13年以降も厚生労働省は態度を変えていません。まさにストックホルム症候群じゃないでしょうか?
昆 誘拐された人が、一緒に過ごすうちに誘拐犯に共感していくというアレですね。
コリンズ 現在の技術では産業用ヘンプと嗜好用大麻、マリファナは簡単に区別できるのですが、危ないという主張が続いているわけです。14年4月1日に農林水産省で開かれた会議の席上でも、厚生労働省の人は米国で産業用ヘンプをマリファナと区別するように法律が更新されたことを教えませんでした。それは非常によくないことですね。私もそういう対応を経験しています。いま、私は山口県で小さな農場で麻栽培をするための申請をしているのです。
昆 山口で、ですか?
コリンズ 実は単身赴任で関東に住んでいまして、家族は山口にいますので、そこで始めようと思っているんです。私は約100ページの資料を提出しました。許可が下りないのは健康上の危害を防止するためという理由なのですが、私は、「誰の?」「どんな?」「その危害の規模は?」と聞き続けています。こちらは科学的に話しているのですが、あいまいな答えになるのは、産業用ヘンプには危害がないからです。
昆 日本のメディアの報道の仕方も非常に特殊だと思います。
コリンズ 「大麻」という言葉を使うとほとんどの人はフリーズ(思考停止)するでしょう。
昆 薬学の先生も医師も厚生労働省との関係があって、睨まれたくないと。彼らが自己規制してしまうという状況を作っているというのは国益として損をしていると思いますよ。

関連記事

powered by weblio