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特集

産業用ヘンプの世界の最新動向



【人々は麻の魅力に親しんでいた】

昆吉則(本誌編集長) 日本の伝統文化には欠かせない麻ですが、戦後はGHQがつくった大麻取締法による麻薬規制によって自由に栽培できなくなったことに私はずっと疑問を感じてきました。そこで、法律に関する問題を含めてお話を伺いたいと思います。そもそも、先生が麻に関心を持たれたきっかけを教えていただけますか?
パトリック・コリンズ氏(麻布大学教授) まずは麻布大学には「麻」の文字がありますね。地名にも麻布、麻生など「麻」のつく場所は日本各地にあります。人の名前にも使われていますし、日本人にとっては馴染み深い植物として興味を持ちました。もう一つは、私の専門は環境科学ですが、その関係でエコ・プロダクツの展示会に出かけた際に麻産業再生運動をされている方にお会いしたことです。
昆 麻の研究を始めて何年くらいになるのですか?
コリンズ 10年くらい経ちます。麻の歴史や日本の麻栽培の話を聞いてさらに調べていくと、麻の世界のおもしろさに気づきました。研究というのはおもしろいと続くんです。
昆 麻の魅力はなんでしょうか?
コリンズ 歴史の本や歴史学者に聞いた話では、縄文時代から麻はあって、最初は繊維のためですね。まず弓を作って、ロープや網、生地をつくることができた民族は強くなりました。ほかの民族がそこから学んで、真似をして広がりました。麻は危ないというより魅力的な農産物ですよ。
昆 麻は日本だけでなく世界各地にも広がっています。
コリンズ その理由はこう考えています。たとえば、何百年も前のものですが、天皇陛下が臨席した行事で陛下の前に置かれたテーブルの上に麻の種が描かれた絵が残っています。彼はどこかに行くときには、麻の種を持って出かけたようです。種があれば、どこに行っても数カ月で麻を育てることができて、繊維が取れ
て、油も調達できたのです。
昆 繊維のほかにも利用用途があったんですか?
コリンズ ホルモンのバランスが狂うと身体に影響を与えますが、人間はそれを麻でリセットして治してきました。人間は農作物として栽培する以前から麻を少なくとも1万年は使ってきています。このことは、最近になってエンド・カンナビノイドとして、発見されています。
昆 人々は経験的に気づいて、知っていたわけですよね。
コリンズ そうです。DNAについても知らなかったけれど、エジプトでも、ヨーロッパでも、ギリシャやインド、中国など、どの国でも昔の医学では知られていました。

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