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土門「辛」聞

再度佐賀タマネギべと病&グローバルGAPの限界

佐賀タマネギべと病
罹患株放置の大失態

再び前月号の佐賀産タマネギが記録的なベと病大被害を被った話題から始めたい。主産地・白石平野をエリアとするJAさが(佐賀市)の対応は、ひどすぎた。初発を見つけられなかった。発生を確認しても有効な防除策を打ち出せなかった。やたら被害を拡大させたことは、民間会社なら罰金ものだ。
史上最悪となった今回のベと病禍は、発生ベースなら2011年のスタートとなる。激増するのは12年以降。全作付面積の8割以上がベと病に罹患、16年にいたっては全面積に拡がっていくのである。
ベと病の発生を佐賀県が確認するのが13年2月。佐賀県は、この時点になってようやくベと病の発生予察情報を出した。間抜けとしか表現の方法がない大失態である。
もっと厳しく批判されるべきはJAさがの無能ぶり。農協主催のベと病緊急対策会議を招集するのが15年4月、11年の初発から4年も経過していた。しかも会議では「何も決まらなかった」(農協幹部)。ベと病防除の知識も経験もなかったことをさらけ出したのである。
ベと病発生を確認したら絶対にやるべきことがある。病気に罹った株を引き抜いて直ちにビニール袋に入れ、罹患株1tに石灰窒素10kgを混和して完全に腐らせるか、焼却処分してしまうことだ。ところが、JAさがはその対応を怠った。
これにはさすが地元町議会でも問題になった。主産地を抱える白石町議会で同9月に農業を営む議員が、次のような質問をしていた。
「(ベと病に罹患した)タマネギは、各自の圃場の道端なり、あるいは水路端に廃棄、放置、野積みされているのが現状であるかと思います。そういったことが環境を悪化して、病原菌の病害の発生源になっているかと思われます」
罹患株の放置が最悪の被害をもたらすことになった。16年は、正月早々からベと病の初発をみた。白石平野でも30cmの積雪がありマイナス9.6度という低温にも見舞われ、被害は急拡大した。
ようやく罹患株の圃場からの抜き取りに着手したのは2月に入ってからだった。この農協には営農のプロがいるのかと思わず疑問に思ってしまうぐらいのデタラメぶりだ。

営農部門の人員削減も
被害拡大をもたらした

その能力不足の原因は、佐賀県農業技術防除センターのデータを分析していたら、すぐ分かった。前回のベと病発生時期だ。08年と09年に急激に増えている。これはドンピシャ、JAさがの発足と軌を一にする。JAさがの発足は07年。1県1農協を目指して県内11農協のうち8農協が合併に参加した。この大合併で営農部門がおろそかにされたのだ。
案の定、合併に伴い人員整理に踏み切っていた。JAさがのホームページで確認できる限り、正職員・臨時職員の数は、12~16年度の4年間で23%も減っていた。減らしたのは、営農部門だった。

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