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イベントレポート

第2回北海道乾直圃場ミーティング


その後、私は岩見沢で乾田直播の普及に関わることになり、8年前に田村氏の試験に関わった私は、妹背牛直播研究会の役員さんから直播講演会の講師を依頼される。率直に「乾田直播が中心となりますよ」とお話ししたのだが、土づくりやGPSを利用した測量なども直播の種類に関係なく役立つ情報だからと言われ、快諾した。
当日、講演を始めると、前列にビデオカメラを回しながら、話に聞き入る人が目に入る。関係機関の人か、報道の人かと思いながらも、冗談も交えて話を進めたのを覚えている。講演終了後に話をすると、「普通の水田農家だが、この技術を待っていた」と答えが返ってきた。そのビデオカメラの彼こそが、辻村氏である。目の輝きなどではない。体にオーラを纏っていた。過ぎた出来事を誇張し、大袈裟に表現しているのではない。彼は本気だったのだ。以来、全国あちこちのイベントで、一緒に過ごす機会が多くなり、昨年はイタリア農業機械展(EIMA)の視察にも一緒に出かけた。
辻村氏の圃場も今年初めて立ち寄ったが、一区画4haの大区画圃場で稲の生育がみごとに揃っていた(写真3)。今年は経営面積も増えたようだが、どの圃場も不揃いはないという。まさに王道まっしぐらといった感じの高い技術力を持ち、圃場概要の説明は満点で、ドローンを飛ばしては話題を広げ、あっという間に予定の1時間が過ぎていた。

「田んぼにトラムライン」が
見慣れた景色に

今回のミーティングの見どころを紹介しよう。まず一つ目はトラクターの走行跡、トラムラインである。もはや稲の生育途中の田んぼにトラクターで管理作業に入ることに抵抗感も、違和感もまったくないようだ(写真4)。参加した乾直人もまた、その景色を見ても当たり前としか思っていない。田村氏も「慣れたよ」と話してくれた。そういえば、牽引式の6000リットルのスプレーヤーを乾直圃場に入れる人もいるくらいである。これも海外の常識、日本の非常識であろう。
二つ目は、自動車の数である。妹背牛の農道は大渋滞し、水田地帯に似つかわしくない光景であった。公共の交通機関で、圃場ミーティングはできない。遠くからの参加者も増えれば、自動車の数も増える。来年は北海道警察に届け出て、この行事を企画することにしよう。
そして、最後はなんとも和気藹々とした雰囲気である。それもそのはず、皆日頃からSNSで情報交換を密にしている仲である。今回の企画もSNSで情報を拡散し、参加者を募った。広い北海道内の距離を縮めるのに一役買っているのは、確かなようだ。

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