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人生・農業リセット再出発

米油とエゴマ油

油を売る、と言えば仕事をさぼって無駄話をする意味だ。本来は、江戸時代に髪油やアンドンの油売り商人が、逆さにした一升マスの粘性の高い油が一滴残らず落ちるのに時間がかかるから、その間に、お客と世間話をしたところから来た。
その「油屋」といえば、昔は旅館を表した。旅人が夜道を歩くときの必携品だったチョウチンの油なども宿泊商売と同時に販売していたから、油屋の屋号も多い。
なぜ旅館を旅籠と呼んだのか? 馬の飼料を入れて運んだ竹籠が転じて、旅行用の日用品などを入れて旅をするカゴ、その荷を宿で解いたからだと言う。
東京ホテルニューオータニの森の中に、隠れるように円形の瀟洒な鉄板焼レストラン『石心亭』がある。
学生時代、夜はフロントで通訳アルバイトをしながら、将来はあそこで食事をする身分になりたいものだと夢見ていた。先日その鉄板焼を頂きながら、シェフが旬の野菜に油を振りかける時に、その油のことを聞いてみた。
これは「米油」ですよ、料理に合うのはこれしかないですね……。初めて聞く油の名前だった。シェフいわく、米油は、玄米を精米したときに出る米糠から抽出される植物油だ。糠ミソを素手で掻き混ぜると、油でギロギロになるでしょう、それほど米糠には油分が多いのですよ。普通の油は熱に弱くて酸化して劣化しやすいのですが、米油は抗酸化成分が豊富に含まれているので熱に強いのです。英語では“rice bran oil”、揚げ物に使っても劣化が少ないので何度も使用できて、味落ちがしない素晴らしい特徴があるのです。それに、油の切れが良く、カラっと揚がって、食感もサクサクです。

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