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【新・農業経営者ルポ】
本農業法人協会初代副会長とその懐刀が作り上げたオール秋田ビジネス
- 代表取締役社長 (株)秋田ニューバイオファーム 鈴木幸夫
- 第160回 2017年11月02日
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鈴木は65歳になる。叱咤激励は次世代へのバトンタッチを願うゆえに発せられている。
秋田をなんとかしたい
齋藤と鈴木の体制で「農業・農産加工・観光・健康」と総合的な企業を作り上げてきた。農業で飯を食っていくための難関と目していた冬はその総合力でクリアしたかに映る。だが、鈴木によればまだまだなのだという。
「冬場はやっぱなんともならねえ。ソバの話をちょっとしたけど、おととしから観光農園内のレストランを冬場
も週に3日ほど開けてな、様子を見ているんだよ。俺としては冬場もお客さんが集える場所にしたいんだ」
総務省統計局による14年の都道府県別人口減少率では残念ながら秋田県が最下位になっている。自社やその周囲だけではなく、秋田をなんとかしたい。それこそが事業を継続してきてたどり着いた答えだった。
「県のアンテナショップをなんで引き受けたのかといえば、地域貢献したかったからだよ。秋田を縮小させちゃいけない。人口が減っているんであれば、産業を興して雇用を増やせばいい。我々の農産加工も、コメそのものの販売では1俵1万5000円だとすれば、きりたんぽに加工すれば5万円になる。その差額は何かっていったら人件費だよ。その分、少しでも雇用が生まれるってことだね」
最後に、秋田ニューバイオファームの秋田愛を披露したい。一般にきりたんぽといえばコンニャクが付き物だ。上述した同社の商品には同梱されていないが、それはなぜか。県内でコンニャクを生産しているところがなかったからだ。ゴボウは苦心して探し出した。顧客第一主義とは若干趣が異なるかもしれないが、それより“秋田だけの”風土や産品を優先する。その信念に一点の曇りもない。(文中敬称略)
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鈴木幸夫 スズキユキオ
代表取締役社長
(株)秋田ニューバイオファーム
1952年、秋田県西目町(現・由利本荘市)生まれ。秋田県立西目農業(現・西目)高校卒業後、実家で就農。87年、(農)秋田ニューバイオファーム入社。07年、(株)秋田ニューバイオファームの代表取締役社長就任。11年から由利地域観光振興会会長も兼務する。
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