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土門「辛」聞

広告詐欺みたいな「GAPをめぐる情勢」文書


いきなり「チャイナGAPは存在しない」と答えてきたので、事実と違うではないかと指摘したら、10分後に「ありました」と答弁を修正してきた。さらにチャイナGAPの活動状況を確認すべく、現在の認証農場数について質問したら、手許に資料がないので答えられないと弁明してきた。
これには唖然とした。これから政府の肝煎りでアジアンGAPを立ち上げようというのに、こうした基本的な情報も集めていなかったことだ。9月初めにグローバルGAPから取り寄せた国別認証農場数の数字を解説付きで読み上げてやった。
17年8月末現在で中国は358農場だった。09年は312農場だったから、10年近く経過してもほとんど伸びていないということになる。ちなみにタイ67農場、ベトナム82農場、日本は97農場だ。いずれも10年かけて、この程度までしか増えなかったのだ。アジア地域ではGAPが根付かないことを再確認させてくれる数字だ。
世界全体では、ドイツがトップで8076農場、次いでオランダ5810、スペイン3259農場と続く。ドイツや英国向け輸出が多い国の順となっている。

国主導のGAP普及はすぐに頓挫する

GAP普及は確実に失敗する。その旨、及川課長に指摘すると、また「GAPをめぐる情勢」文書をみてくれと、6ページの「国際水準のGAP認証取得を求める動きが拡大、加速化」を指してきた。そこには「A社、B社、C社」と3件の実例があり、GAP普及が加速化すると説明してきたが、笑止千万、ほとんど根拠を欠く内容だ。その3例の実態を説明してやった。
A社(飲料メーカー)は日本コカコーラのことである。その説明は、「現在、茶の原料調達にGAP認証の取得を要求」。お茶は、肥料や農薬を多用するので、とくに残留農薬のチェックにメーカーとして神経質になる。ただ日本コカコーラの名前が出ているが、正確には同社が販売するペットボトル茶「綾鷹」のOEM生産を引き受けている静岡県島田市のハラダ製茶が主役である。同社は原料となる茶葉を農家から仕入れる際、農家にJGAP認証を義務づけた。
これこそGAP実践の正しい姿だ。農産品の買い手が、義務づければ、GAPは自ずと普及していくのだ。これは表向きの解説。静岡のお茶は販売不振なので買い手が強気になれる環境があることを忘れてはならない。
買い手が義務づけもしないのに、税金を使ってGAP認証を取得させても、税金を丸ごとどぶに捨てるようなものだ。そのことを及川課長に教えてやろうと思ったが、なぜかやめてしまった。及川課長をどう攻めても暖簾に腕押し。挙げ句の果てに「感謝です」と煙に巻かれてしまう。

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