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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

ミヤイ流、備えあればウレイなし

“ガーガー、ゴーゴー、バラバラバラ”破壊音とともにコンバインの後ろから切り刻まれた鉄の小片が遠慮もなしに飛び散るのを、10mくらい後方から見ていた。

ヨーロッパ並みの電圧に
することで産業発展を

その説明の前に、一般的に麦の収穫は乾燥が一番進んだ圃場から刈り始める。一番乾燥が進むのは土質が泥炭よりも粘土質の圃場になる。水分測定は持ち運びに便利な1リットルボトル程度の大きさで、すべての圃場からサンプルを集めて調べる。やはり粘土質のところは泥炭圃場よりも2%くらい水分が落ちている。その簡易水分計は朝9時の時点で水分25%を示していた。天気が良いと昼にはもう1%下がり、夕方にはさらに1%下がることは過去の経験から容易に推測できた。
コンバインは麦の水分が高いと収穫能力が落ちる。水分が35%と25%とでは時間当たり倍の処理能力差がある。乾燥場の整備、点検も6月末までに終了している。使用する電力は既存の北海道電力200V、60A契約では足りないので、穀物搬送用には特別に期間限定の季節電力と呼ばれる50 kW未満の契約をする。まだ電力が足りないので6台のシズオカ300石乾燥機のために移動式の200V、150kVAの発電機を10500円/日で日立レックから2週間ほど借りる。それでもまだ電力が足りない。緊急用であったり、アメリカ製の貯留ビンの送風には460V、60 Hzの電力が必要になる。
緊急用とは3・11後の電力不足で、北海道電力が供給不足になった場合でもギリギリ乾燥場の電力供給ができるように、北海道電力と発電機の両方が使えるように切り替え装置やケーブルを用意した。出費額は30万円くらいだった。この緊急用電力は自前の発電機を利用する。能力は先ほどのリースと同じ150kVAの物にオプションで、200Vと400Vの両方使用できる切り替えスイッチを付けた。調整ノブで400Vから480Vくらいまで上げることができる。翌年に工事を依頼した業者に「3・11の後、北海道電力と発電機の両方が使えるようにした生産者は何人いたの?」と聞くと、工事業者はバカにしたような目で「アンタだけだよ」と即答した。

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