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特集

「ルポ」に登場したあの人はいま(3)



葉物野菜
売値とコストのバランス経営

農業生産法人(有)アクト農場 社長 関 治男氏(茨城県茨城町)

肉牛肥育から葉物野菜へと特化して約10年。マーケットの動向をにらみながら、軽やかなフットワークをみせる。そこには、ニーズと経営を両立させるバランス感覚と明確な判断基準があった。

アクト農場は、コマツナを主力とした葉物野菜を生産し、主に業務用として契約取引をしている。社長の関治男氏は、もともと肉牛の肥育で事業を立ち上げた。25歳のときに「肉牛500頭を肥育する」という目標を立て、10年後にその目標を達成している。まさに有言実行を遂げた人物である。
野菜生産を始めたきっかけは、牛糞を堆肥として活用するためであった。時を同じくして、BSE問題で牛肉の価格が1頭100万円から8万円まで急落したため、徐々に頭数を減らし、野菜生産に軸足を移していった。2010年に最後の1頭を出荷すると、肉牛肥育はきっぱりとやめ、野菜に特化した。関氏が「新・農業経営者ルポ」に登場したのは、肉牛から野菜への移行期の06年のことである。
それから11年。現在、アクト農場は野菜の一大生産拠点としての地位を確立している。露地栽培と施設栽培を含めた経営面積は約30 ha。ハウスの数は430棟に及ぶ。今年だけで65棟のハウスを新設したという。思い切りの良さは、若いころから変わっていないようだ。
大手の顧客が増え、規模も拡大し、社員も増えた。それに伴い、経営者としての責任も大きくなり、その時々の判断が経営に大きな影響を与えるようになった。しかし、関氏に会った人なら誰でも、いかに迷わず判断する人物なのか分かるだろう。経営者としての関氏の判断基準はなんなのだろうか。

【顧客ニーズと生産効率を両立させる】

現在、契約取引による販売先は40件以上にのぼる。主な取引先は、最初に取引を始めた生協のほか、弁当や総菜、サラダ向けなどの業務用ベンダーである。いまでは珍しくないが、生産してから卸売市場に出荷するのではなく、売り先が決まってから生産するという経営スタイルを早くから取り入れてきた。
生協と取引を始めた後、少しずつだが着実に出荷品目と出荷先を増やしてきた。一つの品目の取引を始めると、その取引先から、あれもないか、これもないかと追加で要望が入ってくる。たとえば、ルッコラから始まると、次はコマツナも、バジルも、ミズナも、といった具合だ。そのつど品目や量を増やしていき、それに伴って生産面積も増やしていった。

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