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しかし落ち着いて考えてみると
この地に生まれ
この小学校に通った人たちは
毎日のように
この校門をくぐってきたわけで
この木に登って遊んだりした時には危ないことをして先生に叱られたり
この木を知らない人は
一人もいないはずです。
木の方も
ここを通った子供たちの顔や
この地で起こったいろいろなことを
ずっと見てきたことでしょう。
そんな木をただ薪に
ましてやお金をかけてゴミにするなんてとんでもない。
何ができるかはわからないけど
とりあえずその木を残したい。
次の瞬間僕の手は
携帯電話に伸びていました。
現場ではもう既に
伐採業者と教育委員会の方が
処理方法などを打ち合わせておられるという差し迫った状況でしたが
僕が連絡した地元の方が即現場へ急行してくださって
とりあえず数日の猶予をいただき
伐採は早急に
業者にしていただきますが
その後の処理については
地元で利用したいので
こちらが指定した大きさに切っていただけるよう
交渉をしてくださいました。
ちょうど地域活性化の拠点として
廃校後の小学校の利用についても
いろいろ意見が出ていたり
先月も地元の祭りを
小学校で行なうなどしていたため
タイミングとしてはバッチリ。
まさに災い転じて福となりました。
大きなものは
そのまま展示したり
枝や幹の部分は乾燥後コースターやお皿の形まで切っておいて
来年のお祭りの時に
参加者の方々に磨いてもらうなど
いろいろ地元で考えてみたいと思います。
相変わらず人口は減っていく一方で
村の共同作業などの負担は
増えていく一方。
イベントが増えるということは
村役が増えるということに
直結しますので
アイデアはあってもなかなか言い出しにくいところもあるのですが
今回は「考えようによってはこれで一年遊べるからね、やってみようや!」と
即動いてくださった地元の方が一人おられて大変助かりました。
遊びというのは子供だけではなく
大人にとっても重要なキーワードになるのですね。
「さあ、遊ぶぞ!」
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山本晋也 ヤマモトシンヤ
副村長
みわダッシュ村
1968年、京都生まれ。美術大学を卒業して渡米後、京都で現代美術作家として活動。そのかたわらオーガニックレストランを経営するも食材を種から作ってみたくなり、京都市内で畑を始める。結婚して3人の子供を授かったころ、農業生産法人みわ・ダッシュ村の清水三雄と出会い、福知山市の限界集落に移住。廃屋を修繕しながら家族で自給自足を目指す。土と向き合ううち田畑と山や川、個人とコミュニティーの関係やその重要性に気がつき、田舎も都会もすべて含めた「大きな意味での自給」を強く意識するようになる。この考え方は、美術家時代にドイツの現代美術家ヨゼフボイスのすべての人が参加して創り上げる社会彫刻という概念に影響を受けた。現在みわ・ダッシュ村副村長。
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