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時間の価値は年齢に反比例!?

今年も年の瀬が近づいてきた。どんな年だったのか振り返る機会が増える季節だが、年々、なぜだか1年が経つのを早いと感じるようになったように思う。いやいや気のせいだろうと深く考えてこなかったが、調べてみると、法則を導いて提唱している人がいるらしい。
発案したのはフランスの哲学者、ポール・ジャネだ。甥で心理学者のピエール・ジャネが著書『記憶の進化と時間観念』のなかで、生涯における時間の心理的に感じる長さは年齢に比例するという法則を紹介した。50歳の人にとっての1年の長さをそれまでの人生の50分の1と考えると、5歳の子どもにとっての1年は、その子の人生の5分の1となる。言い換えると、50歳の人の10年間は5歳の子どもの1年間に相当し、5歳の子どもにとっての1日は50歳の人の10日間と同じ長さと感じるというものである。
実におもしろいので、もう少し深掘りしてみた。柏崎総合医療センターの藤原正博病院長が年齢と時間感覚について病院のブログに記事を載せている。実際の時計の進みを「物理的時計」と呼び、それとは別に心理的に感じる時間経過を「心的時計」として分けて整理しているのだが、身体の代謝に関連付けた解説は頷ける内容だったので紹介したい。
まず、身体的代謝が活性化しているときには物理的時計に比べて心的時計が速く進むそうだ。たとえば、発熱で床に就いたけれど寝つけず、だいぶ横になっていたなと時計を見たら、実際には1時間しか経っていなかったというのは皆さんも経験されていることだろう。風邪で熱があるときは普段より身体的代謝が亢進するため、同じ時間なのに経過するのを長く感じたのである。一方、身体的代謝が落ちると、それに伴って心的時計の進み方が遅くなるという。加齢も代謝の低下要因の一つで、年を取ると時間の経過を速く感じるようになるのも説明がつくようだ。
代謝のほかにも、時間の感じ方に影響を与える要素をいくつか挙げている。楽しく趣味や仕事に没頭したり、家族との時間を過ごしたりしていると、時計はあまり気にならない。こんなに時間が経ったのかと思うくらいに、時間が速く経過しているように感じるものである。逆に、退屈な会議などに出席しているときは、早く終わらないかなと思えば思うほど、時計を見ても時間が進んでいないことが恨めしくなる。これも心的時計と物理的時計のギャップを表している。
もう一つの要素は、加齢とともに起こる情報処理能力の低下である。若い頃に比べて動きが緩慢になり、モノを見て判断するのにも時間がかかるようになることを指摘している。サクサクこなしたつもりでも実際には時間がかかっているため、あっという間に時間が経ったような気がするのだ。若い頃とは違うと漠然と感じていることにも、実は科学的根拠があるというのは納得できておもしろい。年をとると、あっという間に時間が過ぎていくというのも個人差はあれ、仕方がないことと開き直ることにしよう。

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