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土門「辛」聞

農水GAP普及事業の裏事情に迫る

前月号の記事に訂正箇所がある。農水省農業環境対策課が作成した「GAP(生産工程管理)をめぐる情勢」の中で、「国際水準のGAP認証取得を求める動きが拡大、加速化」の具体例として示した「A社、B社、C社」の企業の具体名についである。
A社=日本コカ・コーラ、B社=イオン、C社=イトーヨーカ堂と書いたが、C社はイトーヨーカ堂ではなく、米国のコストコ社のことだった。及川仁課長から「イトーヨーカ堂」ではなく「米国コストコ社」だと指摘を受けた。ここは及川課長の指摘に素直に従いたい。
取材の際、C社=コストコ社という説明を受けていたとしたら、及川課長にはこんな感想を伝えていたに違いない。
「なーんだ、国際水準のGAPって、政府が模範事例を示しても、外国企業ばかりではないか。だってイオンは、国際水準のGAPに取り組んでいると宣伝するけど、イオンに出荷する農家すべてには義務づけておらず、宣伝広告のツールに使っている程度にすぎない。そんな例を示してきたというのは、そもそも国際水準のGAPに対するニーズが、現場レベルではほとんどないということを示したかったのかな。必要と叫んでいるのは、それで一儲けを企むグローバルGAP審査・認証会社とか、その連中に担がれた政治家と農水省の役人ぐらいだろう」
当初C社と書いたイトーヨーカ堂は、グローバルGAPではなくJGAPを生産者に守ってもらうという従来方針を再確認している。農水省が、国際水準のGAPの認証取得を呼びかけたとき、各地の生産者からイトーヨーカ堂も追随するのかという問い合わせがあり、それへの回答として2017年8月17日付け日本経済新聞を通じてアナウンスした。
前月号でもうひとつ訂正がある。及川課長の年収のことだ。電話で取材中、何かの折に話題に及び、「一千数百万円ぐらいもらっているのかな」と探りを入れてみたら、及川課長はなぜか消え入るような声で、「少ないですよ」と答えておられた。その後の調査で1100万円程度ということが判明した。
正直、この額の少なさには驚いた。農水省の技術官僚でも、1500万円はあるだろうと思っていたからだ。公務員の給与がここまで抑えられてきたとは思いもよらなかった。その原因をたぐると、これから取り上げるGAP普及のようなお粗末極まる事業に税金を注ぎ込んできたことが深刻な財政難を招き、給与カットという形で公務員が自らの首を締めてしまったということだ。

日本コカ・コーラ
GAP運用の舞台裏

ついでに「A社=日本コカ・コーラ」のことも補足しておく。農業環境対策課が作成した「GAPをめぐる情勢」文書で「国際水準のGAP認証取得を求める動きが拡大、加速化」の模範例として、日本コカ・コーラを取り上げているが、その根拠が極めてあやふやだ。農業環境対策課が、国際認証、すなわちグローバルGAPの認証取得を農家に煽るため、あえて事実と相違する内容の記述にした疑いがある。

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