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今年の市場相場を読む

初冬の野菜産地リレーが端境期を生む カボチャ/ハクサイ/アスパラガス/ニンジン



ハクサイ
長野産の抑制物が増え茨城も順調。早い冬到来に対応

【概況】
東京市場でのハクサイの今年の入荷動向は、ここ2~3年の推移と比べると春から夏にかけての入荷量が増えている。10月は茨城のスタートは昨年並みだったが、長野産が前年より30%も多く単価は前年同月より6割以上の暴落だった。11月に入っても上旬現在では茨城が本格化してきたが、長野産が前年同期の3.6倍もの出荷をしているため、10月に続いて6割安の展開。これからは、茨城産が十分出てくるだろう。
【背景】
ハクサイは、秋から冬にかけて寒さが強くなるにしたがって、日本一の大産地である茨城県からの出荷が増え、そのピークが10月から始まり年末に向けて急激に増えるのが通例だ。しかし、10月、11月に入荷の増減を左右する要因の一つが、長野県の抑制産地からの出荷のいかんである。この長野産は本来は夏秋期の主産地だが、11月ごろに出荷されてくるものは、夏秋物の残量ではなく、鍋シーズンの初めに供給するために作った抑制産地物だ。
【今後の対応】
長野産は、例年より早く寒さがくれば切り上がってしまうが、暖冬気味だと終盤まで出してくる。今年も10月~11月上旬までは、ピークが始まった茨城産とバッティングしてしまった。しかも、そのために価格暴落状態でも、長野産は平均単価の3割前後は高い。県本部に力のある長野産が相場を引っ張ろうとするため、11月はハクサイの入荷や相場が不安定になることがある。今年は早めの冬が到来しているようだが、茨城産の生育状態は良好だ。


アスパラガス
産地が変化。年末に向けメキシコ産が再注目浴びる

【概況】
東京市場のアスパラガスの入荷動向は、全体としてここ10年の推移を見る限りは、流通の総量はほとんど変化がない。ただし総量は保ちつつも、産地構成はかなりの変化が見られる。とくに変わったのが、年明けから春先までの入荷はメキシコ産、カリフォルニア産の独壇場だったが、この時期に長崎、佐賀などの長期どり産地が台頭して数量を増やしており、4月くらいまでのカリフォルニア産の輸入が不要になった。
【背景】
アスパラガスは、かつて国産は春から初夏にかけての季節野菜であった。昭和末期からそこに年明けからメキシコ産が輸入されて、春に国産が始まるまで供給期間が延びた。その後、9月ごろからクリスマスに間に合う時期くらいまでの期間にオーストラリア産が輸入されるようになると、ほぼ周年供給体制が整ったが、これに加えタイ産やフィリピン産などの完全周年供給が可能になり、周年化が完結。日本マーケットに周年需要が開拓された。

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