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今年の市場相場を読む

初冬の野菜産地リレーが端境期を生む カボチャ/ハクサイ/アスパラガス/ニンジン


【今後の対応】
その周年需要は、国産と輸入物とが棲み分けることで創造されたが、これまで輸入物が担当していた時期を狙って、国産がマーケット収奪作戦を展開する。それは、熱帯栽培をヒントに佐賀、長崎などが立茎栽培で収穫の長期化に成功したこと。しかしながら依然として、11月以降の出荷は難しい状態だ。今ここに入り込んでいるのが、かつては年明けからの産地だったメキシコ産である。今年もこれからの時期、輸入先も増えて入荷は安定推移だろう。


ニンジン
北の産地から千葉産へリレー不具合。輸入物偏重に課題

【概況】
東京市場のニンジンの入荷は、総量としてはここ10年を見ても凹凸はあっても、その入荷は一定である。一方で相場はすぐ変動する。家庭用としても業務加工用でもニンジンは基本食材であり、国内の需要に対し必ずしも安定しない国産を、輸入で調整することで需給が成立している。近年、ニンジンの輸入量が10万t前後を行き来している。大口需要者は不安定な国産をあてにせず、輸入品を中心にして国産で補完している。
【背景】
一定量の確保が不可欠なニンジンの一つの大きな山場は、11月である。夏場からの産地である北海道、青森などと、関東の大産地である千葉産との切り替え時期がちょうど11月に当たる。例年では10月までは北海道、東北産地が7~8割を占めるが、11月には千葉産と半分になる。12月になると千葉産が主力になり、見事なリレーぶりが本来の姿だ。しかし根菜類のニンジンは意外に天候異変に弱く、このリレーがうまくいかない年も多い。
【今後の対応】
今年は、春の徳島産から夏秋の北海道、東北産地が過去2年では、最も入荷量が多い状態で推移してきた。そのため夏から相場は暴落ぎみ、10月は北海道、青森とも前年より2割前後多い入荷で、単価は3分の1。だが11月上旬には数量も落ち着き、単価も戻してきた。これからを担う千葉産は、11月時点で前年より5割近く増やしている。この冬は供給面では安心だが、相場に関係なく入ってくる中国産が相場をかき乱す可能性ありそうだ。

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