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【イベントレポート】
国産榊生産者の会in伊万里
- 2017年12月04日
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高品質化と安定供給という
課題と対策を共有
イベントの特徴は、生産者の栽培技術の情報交換にとどまらず、販売者が参加して市場状況やニーズの情報交換をしていることである。今回も、両者から情報や課題が提示され、今後、国産榊が目指すべき方向が共有された。
生産者は、鹿児島、宮崎、熊本、佐賀、長崎、和歌山、静岡、茨城、栃木、東京(八丈島)を合わせた計24の団体、法人、個人が参加した。世代は20~80代と幅広く、新規就農者からシキミ生産者、林業者、山採り(注:山に自生する榊の採取)を生業としてきた人まで、さまざまな経験を持つ生産者が集った。
生産者からは、榊を始めた理由や品種、苗か挿し木かの選択の理由、品質の良い枝の剪定が重要であること、防除方法、出荷先、課題などが報告された。榊を始めた理由としては、中山間地域の高齢化が進むなか、定植が一度で済むことや、体力が必要な山採りからの切り替え、耕作放棄地を解消できることなどを理由に、榊の生産を始めたということが発表された。また、課題として、品質に影響を及ぼすルビーロウムシの防除や、通年の安定出荷や作業の平準化のための冷蔵庫の導入などが挙げられた。
販売者は各地の花市場や流通業、生花店など計10軒の企業が参加し、各地の国産榊の需要や要望についての情報が提供された。
冒頭で、(株)フロリスト・コロナの高橋正行氏より、中国産榊の生産状況について説明があった。同氏によると、中国の人件費高騰で低価格の榊供給は限界に来ている一方、山採りから栽培に切り替えることで品質が上がってきていることや、国産榊が売れる価格帯などが提示された。
各販売者からは、地域ごとに異なる国産榊のニーズや生産者への要望が発表された。八丈榊のような品質の高い国産榊の需要が高まっていることが報告された。一方、数が慢性的に不足していることや、生花店に欠かせない商品なだけに、欠品時期は中国産で補填されるという機会ロスが国産榊普及の課題として挙げられた。そこで、生産者への要望として、冷蔵庫の導入による安定供給が提案された。
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