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イベントレポート

外国人の目から見た我が国の大麻取締法制の異常/『農業経営者』セミナー

今回は、産業用麻(以下、産業用ヘンプ)の農業・産業的可能性に注目し、日本の規制に関する理解を広めるという趣旨で開催した。日本では「大麻」と総称されているが、産業用ヘンプとマリファナの原料になる麻とは種類が異なる。産業用ヘンプは、麻薬成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)濃度0.3%という国際安全基準以下の麻である。
講師に迎えたのは、麻布大学で環境経済学を研究している英国人のパトリック・コリンズ氏。コリンズ氏は、大麻取締法にとらわれ法改正をしない日本の政策に一石を投じた。以下、講演の概要を紹介する。

日本伝統の麻産業の
喪失は経済競争のあおり

麻は、いかに日本の文化に根付いたものであるか。規制される1948年までの1万数千年間、糸や縄、弓、餌、生地、紙、薬、燃料などの衣食住に「無事」に活用されてきた。現在も、神道や皇室行事において麻の文化が継承されている。
日本で麻の生産が規制された経緯はこうである。37年から米国ではマリファナの危険性が伝えられて生産が縮小した。さらに、産業用ヘンプと競合する製紙、林業、綿、農薬、石油、製薬などの大手企業がマリファナの危険性を訴えるキャンペーンを展開すると、マリファナと区別なく産業用ヘンプの生産も法で禁止された。日本で規制されたのは戦後の48年。米国GHQの命令で日本に「大麻取締法」を導入したことによる。当時、約2万人いた生産者は十数人にまで減少し、麻産業は喪失した。この規制は「経済戦争」によるものである。

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