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特集

コメを神棚から降ろせ

「米政策改革大綱」が打ち出されたのが2002年。当時本誌は「“コメ”を神棚からおろす時」という特集記事を掲載した。あれから16年、コメはいまだに神棚から降りてはいない。いわゆる「減反」は廃止されても、飼料米政策がコメ市況に大きな影響を与えている。このままコメがマーケットから隔離され、聖域化されたままなら、コメひいては日本の農業は危うい。消費者から見放されれば、生産者にもツケが回ってくるだろう。そうならないために、最近の流れを検証しながら再度特集を組んだ。

座談会
神棚化の縛りを解き放て

コメ市況はすでに3年にわたって値上がりを続けている。「減反」廃止元年を迎え、生産・需給動向は予断を許さない。このままでは日本のコメはダメになる。国産志向が強いにもかかわらず、市場がつぶれてしまう恐れさえ出てきた。危機感漂うなかで語られた「いまどうなっている、これからどうなる、どうする」。

元農林水産審議官 針原 寿朗氏
米穀新聞社記者 熊野 孝文氏
本誌編集長 昆 吉則

昆 平成14年に針原さんが米政策改革大綱を打ってから16年経ちました。平成30年にいよいよ大綱の流れを汲む新たな政策がスタートします。国による減反およびコメの直接支払交付金7500円/10aが廃止されるわけです。大綱が打ち出された平成14年に本誌で「“コメ”を神棚からおろす時」という特集を組みました。しかし、いまだにコメを神棚から降ろすことができていないのではないでしょうか。本日は、その弊害を捉え、今後、起こりうる問題に備えて、生産者はどう行動していくべきか議論したいと思います。僕は、コメを神棚から降ろすと言ったら、読者の神主さんに叱られましたが、そもそも大綱の意図はどこにあったのでしょうか。
針原 コメ政策を、ウルグアイ・ラウンドで導入された国際的な農業政策の流れに沿ったものにするのが、そもそもの意図でした。政策は農産物の価格に影響を与えてはいけない。補助金はマーケットから切り離す(デカップルする)というものです。また、平成11年に制定された食料・農業・農村基本法も、この考え方をベースにしており、農産物の価格は需給と品質で決まると定めています。コメを神棚から降ろすというのは、コメを産業として捉えるという
例えになりますね。

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