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特集

コメを神棚から降ろせ


昆 国が生産調整をする形から、生産者側がマーケットに対応するという形に変わるということですね。なぜ、生産調整よりマーケットに委ねようと考えたのですか。
針原 そもそも生産調整は、当時、コメは主食だから、価格が上がっても消費は減らないという考え方が前提となっていました。しかし、実際の傾向を見ると、価格が上がると消費が減るという事実がわかっていました。当時は、コメが麦に抜かれるとは予想していませんでしたが、生産調整により価格をつり上げると産業として縮小していくことに危機感を感じて、データを見せながら何度も説明しました。
昆 それが今回の平成30年の改革につながるわけですね。
針原 コメ政策の背景には、従来から二つの対立する考え方が併存しています。ひとつは、食料・農業・農村基本法に沿った考え方ですが、米価は市場のメカニズムにより決定し、農業経営は別途経営安定対策で守るという考え方です。もうひとつは、市場隔離など米価を維持するための政策を推進し、コメ農家を守るという考え方です。今回の政策は、どちらの考え方をベースにしているのかが、いまひとつ明確でなく、改革の行き着くところを見えにくくしています。

【飼料用米政策によるコメの市場隔離】

昆 飼料用米や加工用米の政策によって、この3年間、コメ市況が上がり続けていますよね。
針原 毎年約1000円/俵ずつ値上がりし、3年間で3000円値上がりしています。
昆 減反政策廃止の一方で、飼料用米や加工用米の政策が進められています。飼料用米を本作化しろという話まで出てきています。少し前からは、農協が生産調整をすると言っています。農協が調整するのはありうることだと思いますが、そこに政策が関与しようとしています。相変わらず、コメの市場隔離をしているのではないですか。
針原 たしかに飼料用米政策は市場隔離と同様の効果を持っています。飼料用米に10万5000円/10aの助成金を出すと、主食用米とほぼ同じレベルの所得を得ることになるので、実質、政府が買い入れているのと同じ効果を持ち得ます。実際に政府が買い入れるとすれば、WTOでは価格支持政策に当たる黄色信号の政策となります。そのような政策は、約20年前の「新たな米政策」によるコメの買い入れ制限で断ったつもりだったのですが。
昆 大綱以前に逆戻りしていますね。食糧管理法の時代よりも縛りが効いているのではないですか。
針原 効いていますね。

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