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特集

コメを神棚から降ろせ


針原 そうですね。
昆 畜産の話じゃないんです。
針原 水田イノベーションですから。畑作技術体系にしないと、高齢化時代、あるいは、人口減少時代に、水田の管理ができなくなるということですよね。
昆 飼料用米の助成金でベンツに乗っているようではダメだと。読者に嫌われる話ですが、やっぱり言い続けなきゃいけないだろうなと思っています。飼料用米は、うまく使って畑作技術体系の練習をすればいいと言っているんです。天から金が降ってくるんだから。うまくやれば、1俵1万円を切る食用米をつくれるようになります。畑作技術体系ができるようになれば、コメの問題だけではなくて、麦や大豆もうまくできるようになります。
針原 農学の世界では、コメの経営は20 haが限界で、それを超えると逆にコストがアップすると言われていました。でもそれは、いわゆる田植えを前提とした体系のなかで言われてきたことですよね。でも、トウモロコシの勉強会でお話をうかがった成田市の小泉輝夫さんは、これまでの常識とは関係なく、周りから農地を引き受けて、40 ha、50 haを経営していますよね。これこそイノベーションですよね。
昆 彼の労働力は1.5人ぐらいですよ。
針原 小泉さんは、谷地田でも暗渠と明渠を自分でつくって全部やってしまっているわけですよね。これからの水田経営では、小泉さんのような農法を紹介すれば、湿田地帯だからダメだとは言わないでしょうね。
昆 彼は、冬に一生懸命働いているわけですよ。田植えは時速2.5kmぐらいで、高速田植え機でも3~4km。彼は5~7kmで走るんです。きちんと基盤ができているから高速でできるんですよ。ああいう谷地田だと、暗渠を自分で入れた後もまた水が噴き出す場所が出てきます。それを3年越しぐらいで変えたんです。
針原 暗渠は10年という常識を彼は実践で破っているわけですよね。
昆 大雨が降っても、彼はトウモロコシのコンバインをバンバンと走らせています。さらに、農道が狭いので、自分で農道を広げたんです。しかし、そういうことをやる人の努力が報われていない状況です。
針原 そういう例が新しい常識になれば良いと思います。当然、農業資材費を安くしなければなりませんが、国内だけで業界再編をしても劇的に下がるわけでもないと思うので、これも国際的なバリューチェーンを踏まえて議論しなおしたほうがいいと思います。いまが非常に大きな転換点なので、早く議論しないと手遅れになると非常に危機感を持っています。

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