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特集

コメを神棚から降ろせ



【コメの呪縛から離れ、畑作技術体系へ】

昆 じつは農業全体の育成を考えると、コメだけに焦点を当てるのも良くないことだと思っています。いかにコメから離れて、畑作技術体系を自分のものにするか。その結果、コメも安くつくれるようになり、自信も持てる。そもそも水田では、いまの技術体系しかあり得ないというのが常識になっているんです。極端な言い方をすると、どんな政策よりも、高齢化の進行でどうにもならなくなれば、それが唯一の解決策になるでしょう。乱暴な言い方ですけど。国産トウモロコシのマーケットもあるわけですよ。じつは答えは準備されている。畑作技術体系でトウモロコシを始めた人たちが増えて、現在、350haまで広がりました。一方で、イノベーションを妨害する動きも現実にあります。
針原 逆に言うと、放っておけば小泉さんのような人があちこちに現れて、政策におかまいなしに、現実が先に進むというようなことが起きると思います。昔、食糧管理法が自由米で侵食されたようなことを期待しています。
昆 集荷業者が生産者の囲い込みをやるなら、コメと他の作物を含めた畑作技術体系を理解して、トータルでサポートしてほしいですね。水田経営を応援するという形で、コメを安定的に買い入れる。そういう仕組みづくりをやっていってほしいと思います。水田農業は、コメのコストダウンという狭い範囲の問題ではなく、水田という経営基盤をどうやって活かすかということが重要なんです。助成金や交付金でどうこうするのではなく、農業経営者自身が自覚して、現実を変えていかなければなりません。そのとき、マーケット側の人にも理解してもらって、一緒にやっていければと思います。平成30年、ナイアガラの滝の先に立っていますね。
熊野 不思議なもんで、ずいぶん昔から改革があるたびに、そういうことを言ってきたんですけど、ずーっと変わりませんね。
昆 そうですね。本当に。
針原 そういうなかで、将来とも誰にも否定できないことは、ころころ変わりうる制度や補助金に守られるより、お客様に守られたほうが安定するということです。
昆 僕は非常に特殊な意見を言っているように思われますが、当たり前のことです。畑作技術体系でトウモロコシを始めた人たちは、明るい顔をしています。まずは自覚的にコメを神棚から降ろせた人たちです。流通から物理的に降ろすのではなく、水田への執着心から降ろせた人たちです。本誌の読者たちも、コメ中心の水田経営ではない人ほど技術力が高く、収益性も高いです。彼らにとって、コメづくりはすごく簡単なことになり、「今年、20 ha増えちゃった」とすぐに対応できます。そういう変化を起こした人たち、気づいている人たちもすでにいるわけですから、早く変わってほしいと思います。

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