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特集

コメを神棚から降ろせ


これだけ主食用米の生産が減るのは、価格の値上がりによって消費が減少したと受けとめるべきだ。高額の助成金をつけた飼料米の生産奨励は、生産調整につながる特効薬と思われたが、やり方を間違えると深刻な副作用をもたらすということだ。
ついでに輸出用米にも触れておこう。輸出用米に取り組めば、減反カウントの対象になる。その目的で取り組む生産者は多い。改めてこの数字を眺めていると、コメの輸出は日暮れて道遠しの感を強くした。1万tの壁を打ち破れていない。それどころか17年産は、前年産より1000t減った。理由は明白だ。もともと競争力がないところへ、減反を強化して価格をつり上げたことが、競争力をさらに失わせたのである。

【新たな「生産調整」も失敗の可能性きわめて大】

約半世紀に及ぶ減反の取り組みで産地は疲弊しきっている。看過できないのは生産力をいたずらに低下させてきたことだ。販売力のない農協組織が農家に対して減反を押しつけてきたことが、今の事態を招いたのだ。18年産からの新たな生産調整も、農協組織はあの手この手で主導権を握ろうとしている。11月28日付け時事通信の報道を紹介してみたい。
「自民党は、年内にも市場の需給情報などをまとめる全国組織を設立する案を決定した。新組織は民間主体とし、減反廃止によって懸念される過剰生産を防ぐなどコメの安定生産を後押しする。ただ、強制力はないため、実効性を確保するのは困難との見方も出ている」
何よりもの驚きは、約半世紀に及ぶ減反失敗の教訓を何も汲み取っていない点だ。その記事の続きには、「新組織には、全国農業協同組合中央会(JA全中)などJAグループのほか、コメ卸売業者、外食や輸出の事業者団体が参加する見通し」とある。その場で売り手と買い手が、生産調整で談合したら、独占禁止法に違反する恐れがある。
18年産以降は国による配分がなくなる。代わりに都道府県が生産の目安(都道府県版「生産数量目標」)を市町村に示すことになる。市町村は地域農業再生協議会を通じて現場にその数字を下ろす。その目安が現場で定着するかどうかは、すこぶる疑問。実際に販売も担当しなければ結果責任も負わない都道府県がそのような目安を示して何の意味があるだろうかという声が現場にある。

【都道府県別の「勝ち組」と「負け組」】

生産調整は、コメであっても競争原理が働くマーケットでしか解決されない。それは約半世紀に及ぶ減反の歴史でも証明済みだ。表現を変えて、生産調整を通して「勝ち組」と「負け組」を色分けしてみたい。参考にしたのは、17年産米の都道府県別の生産数量目標と超過数量に、作況指数を並べてみた表2である。

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