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特集

コメを神棚から降ろせ


超過数量の項目でマイナスと表示してあるのは、生産数量目標に達しなかった、逆に見れば目標以上に減反が進んだことを意味する。逆にプラスは目標を上回ったことだが、分かりやすい表現なら、売り先があったので、生産数量目標の数字とはおかまいなく、コメを作っていたら「勝ち組」になったということだ。
この表で主食用米生産量に対して超過数量の多い県が「勝ち組」。10万t以上の産地でダントツのトップは、千葉県だ。主食用米生産量に占める超過数量は、16.6%だ。次いで茨城県の5.3%。首都圏近郊なので売り先はいくらでもある。何も減反に取り組むことはない。目一杯、作って売りまくればよいという考え方だ。この両県は、遠い昔から「30年産問題」を先取り、その筋で「チバラキ県」とのニックネームがつけられている。
「負け組」は、あまりにも多すぎる。特筆すべきは、九州7県だろう。主食用米の生産に見切りを付けたわけでもないが、こぞって飼料米の生産に走った。畜産、養豚、養鶏の産地を抱えているという地域性はあるが、将来が心配。その反動で主食用米の生産量が大きく落ち込み、九州7県をトータルで見れば、主食用米は本州などに供給を仰ぐ移入県に転じてしまったことだ。
超早場米産地で有名な宮崎は、22%が飼料米生産。次に鹿児島14.1%、熊本9.2%、大分8.6%と続く。飼料米生産につく高額助成が削減されるようになれば、これら産地は「負け組」になってしまうのだ。
本州を見てみよう。東北では、青森と岩手、関東は栃木、関西は三重が、飼料米へのシフトに力を入れている。同じ東北でも、北と南では様相が変わる。宮城、山形、福島の南東北3県は、飼料米奨励はお付き合い程度だ。この差は、これまた高額助成が削減されたときに出てくる。主食用米に切り替えても、すでに売り先は「勝ち組」産地に押さえられてしまっている。高額助成が未来永劫続くと思っているとしたら、呆れるほかない。

【10年前から半減近い全農の取扱高】

17年10月、全農は大手コメ卸の木徳神糧(東京)とコメの集荷や販路開拓で提携すると正式発表した。今のコメ業界の置かれた厳しい状況を反映した提携だった。全農は、外食チェーンや小売など多様な売り先を持つ木徳の販売ルートを通じて直接販売することができる。一方の木徳は、提携を結ぶことでコメの調達ルートを強化することができる。
新聞はウィン・ウィンを目指す提携のように伝えるが、筆者には弱者連合という見方しかできない。双方のプレスリリースを読んで思い浮かぶのは、かたや仕入れ、かたや販売に問題を抱えていて、それを提携によって解決したいという構図だ。

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