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特集

コメを神棚から降ろせ


針原 いまは生茹での状態で気がついていませんが、将来はどんどん熱くなっていきますよね。
昆 実需者と消費者に損をさせてもなんとも思わないで、お客さんを無視したら、どんな商売でも自分の首を絞めることになります。

【政策に左右されずマーケットをつくる】

昆 平成30年の9月以降はどんな変化が起きると思いますか。
熊野 リスクを負ってでも生産者を囲い込もうという動きが加速すると思います。
昆 かつて、加工用のタマネギはほとんど中国産でしたが、いまは府県の産地で、ハーベスターを提供するから生産してくれという業者がたくさんいます。それと同じことがコメで起きるわけですね。
熊野 起きると思います。この15年間でマーケットのほうも変わっています。いろんな技術でコメの付加価値を上げて市場を広げた人たちもいます。最近の例では、冷凍米飯で特許を取ったところがあります。それは何かと言うと白飯の冷凍技術です。誰でもできそうですが、実は油でコーティングしたチャーハンは冷凍できますが、白飯の冷凍技術は難しいんです。それを輸出しようとしています。ところが、これも米価が上がって最初の見積もりよりも1袋50円もアップしてしまったので、原料米の価格をなんとかしなくてはいけないようになっています。
針原 輸出品に関して言えば、私の持論は一次産品のコメを輸出してはいけないということです。
昆 そうですね。
針原 コメは加工品を輸出したほうが良いのです。農産物と食品の輸出担当局長もしていたことがあるんですが、そのとき、コメとコメの加工品を合わせた数字を目標にしました。経営学でバリューチェーンアプローチというものがあります。マイケル・ポーターという人が最初に提唱した考え方です。生産から加工、販売まで、一次産品の価値が失われないようにつないでいくというものです。そのアプローチのなかにプロフィットプール論という考え方があります。儲けの溜まり場のことです。たとえば小麦なら、一次加工の製粉と、二次加工の製麺や製パンの段階です。ここで所得と雇用が生まれます。コメの場合は、かつては集荷や調整でしたが、いまは炊飯です。レストランで言えば、原価15円のものが150円で売れる。ここが儲けの溜まり場です。一次産品のコメを輸出するということは、儲けの溜まり場を海外に譲り渡してしまうことになります。
昆 欧州はデュラム小麦を輸入して、マカロニを輸出していますよね。

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