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【過剰の対策、欠乏の克服】
水田の「グライ土壌」は問題か
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第30回 2006年11月01日
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土を調べると、さまざまな数値が記録されます。そこから田畑の問題点をすぐに発見することができるうえ、その改善策は簡単なものである場合も多く見られます。
例えば、土のpHが低過ぎる、つまり酸性に傾いていることなどがわかった場合、pHを上げるために施用する石灰資材の量と改良したい土の深さを決めてしまえば、石灰資材を購入し、均一に散布、15cmに混ぜるのなら、ロータリー耕で混ざる深さを確認し、混和すればよいわけです。ただ、特別に強い酸性で、黒ボクの火山灰土のようなpHの変化に緩衝するような土の場合は、施用量の決定に少し専門家の知恵が必要です。といっても、その場合でも一度石灰を入れて、後でpHが目標まで達していないことがわかった時点で、さらに石灰を散布するという対応を、必要なpHになるまでくり返すというやり方でできないわけではありません(もちろん1回の処理で済ませてしまいたいところですが……)。
さて、ここまでpHを例に挙げてきましたが、今回は水田を調べると検出される数値、グライ層の深さとコメの収量の関係について解説します。これらが具体的にどの程度関連していて、改良はどこまでする必要があるのか、という実務の対応について考えていきましょう。
例えば、土のpHが低過ぎる、つまり酸性に傾いていることなどがわかった場合、pHを上げるために施用する石灰資材の量と改良したい土の深さを決めてしまえば、石灰資材を購入し、均一に散布、15cmに混ぜるのなら、ロータリー耕で混ざる深さを確認し、混和すればよいわけです。ただ、特別に強い酸性で、黒ボクの火山灰土のようなpHの変化に緩衝するような土の場合は、施用量の決定に少し専門家の知恵が必要です。といっても、その場合でも一度石灰を入れて、後でpHが目標まで達していないことがわかった時点で、さらに石灰を散布するという対応を、必要なpHになるまでくり返すというやり方でできないわけではありません(もちろん1回の処理で済ませてしまいたいところですが……)。
さて、ここまでpHを例に挙げてきましたが、今回は水田を調べると検出される数値、グライ層の深さとコメの収量の関係について解説します。これらが具体的にどの程度関連していて、改良はどこまでする必要があるのか、という実務の対応について考えていきましょう。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
過剰の対策、欠乏の克服
「土壌診断」という言葉は農業界に浸透し、多くの人がその必要性を感じているものの、調査は専門機関に委ね、その処方に基づいた施肥を行なってきたのが現状だ。ここでは現場で農業者が主体となって行なう土壌調査と診断方法について紹介していく。
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