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パセリ
年末には平均単価の2倍まで高騰。家庭需要を標的に
【概況】
東京市場でのパセリの入荷動向は、この10年で劇的に変わった。入荷量は40%も減り、単価は1.8倍にも。千葉が変わらずシェア5割以上で主産地だが、数量は半減している。入荷のピークは春から夏の需要期が中心だとはいえ、06年では12月に大きな山があったものの、16年となると入荷量にメリハリがない。年末はやはり業務用需要が高まるものの、入荷が特別増えるわけではないので、16年は平均単価の2倍になった。
【背景】
パセリも冬場は産地が限られ、和食から洋食までオールマイティーなツマ野菜である。バブル崩壊以降には、クレソンの代替需要があってやはり年末には高騰するのが常だった。パセリは飾りであり、食べる野菜だとは思われていない。本来はハーブの仲間で、欧米では香辛野菜として多用されるのだが、日本ではあくまでも料理を彩る飾りだ。クレソンはセリの仲間なのでお浸しにして美味しいが、パセリは産地からのメニュー提案などはほとんどない。
【今後の対応】
年末年始には高値となるが、通常は少し多めだと即、暴落する。葉が固く閉じていると評価され、開いているものが敬遠されるのは、業務需要者は仕入れてからなるべく長く持たせたいからだ。かつて、有名料亭で食材の使い回しが発覚して閉店にまで追い込まれたが、パセリはまさに使い回される典型的な野菜である。年末に高くなっても、業務用でも使う量は知れている。葉が開いていても家庭需要によって支えられれば、状況は違ってくる。
クレソン
需要は縮小へ。セリと同様に季節野菜として生きる道
【概況】
東京市場のクレソンの入荷動向をこの10年で見ると、入荷量は24%減って単価は32%高い。この傾向は年間を通じてどの月にも当てはまる。需要全体が縮小していることや、毎月ほぼ入荷数量が変わらず、12月だけは若干増える現象に変化はない。かつて昭和の時代までは年間500t程度の入荷があったものだが、現在は300t程度まで凋落した。いわば洋風のツマ物であり、入荷減があまり問題視されない。
【背景】
クレソンは、かつては年末に暴騰することで知られていた。冬場は生産する産地が沖縄などに限定され、ステーキなどの洋食メニュー用として強い需要があったからである。ただそれもバブル期までで、以降の長期にわたる景気低迷期には、パセリなどに代わりクレソンは洋食での必需品ではなくなった。そもそも、ステーキには必ずクレソンを添えることに固執する必然性はない。また、クレソン自体の品質も、求められる食味にも関心が薄い。
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