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イングランドでは、1910年代から木材資源の獲得のために国有林を増やしてきた。その国有林では時代とともに野生動物への対応が変化している。50年代には、増えすぎたウサギの駆除を目的に管理者を雇い入れた。60年代には、野生動物チームを結成し、シカによる環境影響を抑えるために個体数を減らす捕獲に力を入れるとともに、伝統的な天然資源として一定数を保護してきた。70年代から90年代にかけては、野生動物管理者の人材教育体制が確立してきた。そして、95年、英国として、「レンジャー」と呼ばれる野生動物管理者の認証制度(以下、DSC)がスタートし、四つの基本原則(合法性・安全性・人道性・食肉衛生)が設けられた。国有林のレンジャーの役割は、森林資源とバランスの取れたシカの個体数の管理のほか、シカの生息地と植林地の保護、生態系や気候変動への対応、さらには市民の野生動物の捕獲に対する理解を得ることなど多岐にわたる。博士は自身の考えを次のように述べた。
「レンジャーと国有林の役割は、その時代の経済や環境、社会情勢によって変わってきたもので、今後も時代に応じて変わっていくだろう」
森林総合研究所の松浦友紀子氏からは、現在までにDCCレベル1取得者79人、レベル2取得者1人であり、20~30代で半数を占めることが発表された。また、DCCは英国のDSCを踏襲していることや、これまでの活動が報告された。なお、協会によると、DCCの主な取得者は猟友会や業者に捕獲を委託する市町村行政担当者が多いとのことである。各講演後は、講演者たちによるパネルディスカッションが行なわれ、会場からも多くの質問や意見が出された。参加者には20~30代の世代が多かったことから、主催者や講演者からも今後に期待する声が聞かれた。 (平井ゆか)
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