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【特集】
ゲノム編集 育種新時代への備え
- 編集部
- 2018年01月31日
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Part1
ゲノム編集の基礎知識
【ゲノム編集の特徴】
解説●冨田房男氏 北海道大学名誉教授
ゲノム編集は、DNAの狙った場所を変異させる技術。ヌクレアーゼ核酸分解酵素によって、DNAの一部を切り取って、ある性質を消し去ることばかり注目されがちだが、切り取った後に、塩基配列を変えたものを入れ込むこともでき、ある性質を強くしたり弱くしたりすることもできる。
大きな特徴は、CRISPR/Cas9などのヌクレアーゼによって、狙う確率が非常に正確になったということである。ただし、確率は100%ではないので、検証は必要である。
原理は突然変異育種と同じである。ただし、放射線照射や化学物質による突然変異育種では、特定の場所を狙い撃ちできないため、後から目標とする特性に近いものを拾ってくるという方法である。
塩基配列に加え
遺伝子情報の解読も必要
ヌクレアーゼで狙い撃ちするには、塩基配列の解読が必要である。加えて、ある塩基配列がどういう働きをしているのか分かって初めて、狙い撃ちすることができる。つまり、塩基配列に加え、あらかじめ遺伝子情報の解読をしておくことが必要だ。
たとえばイネはすべての塩基配列が解読されているが、どこがどんな働きをしているかというのは、すべては解読されていない。徐々に解読されているので、分かっているところは狙い撃ちすることができる。
遺伝子組換えとの違いは
異種遺伝子を入れないこと
ゲノム編集は、その個体の中で自分の遺伝子を変化させるので、異種の遺伝子を入れない。一方、遺伝子組換えは、自分の中の遺伝子を変えたものを取り入れることもできるが、異種を入れることが多い。
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