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ただし、農産物の貿易の視点から、ゲノム編集への態度を決めかねている欧州など外国勢の判断を見ながら、規制のあり方については検討中という段階だ。
【遺伝子組換え農作物の
安全性評価に関する法令】
(1)カルタヘナ法
遺伝子組換え生物と他の生物との交雑による生物多様性への影響を防止することを目的としている。2000年に国連でカルタヘナ議定書が採択され、03年にカルタヘナ法が成立した。日本では04年にカルタヘナ議定書が発効されている。カルタヘナ法では、遺伝子組換え農作物の輸入、流通、栽培や、遺伝子組換え生ワクチンの動物への接種を「第一種使用等」として、生物多様性に影響が生じないか否かについて事前に審査を受けなければならない。
(2)食品衛生法
遺伝子組換え食品等を輸入・販売する際には、必ず安全性審査を受ける必要がある。 無審査原材料に用いた食品等の製造・輸入・販売は禁止。
(3)飼料安全法
安全性審査が終了した遺伝子組換え飼料や飼料添加物でなければ、国内での流通や使用は認めらない。
Part4
新たな育種技術「ゲノム編集」
わたしはこう考える
ゲノム編集が何をもたらすのか、もたらすべきなのか。いまは議論の途中にある。生産者は品種開発に対してニーズを伝えるべきだろう。新技術研究者、開発企業、生産者、それぞれの立場からゲノム編集と育種について意見を寄せてもらった。
【研究に対する規制は要らない
農業者に新技術を使わせないのは大きな間違い】
冨田 房男氏 北海道大学名誉教授
----冨田先生は、長年、遺伝子組換え技術に携わってこられましたが、どのような研究をされてきたのですか。
冨田 私は、民間企業の協和発酵に27年間、北海道大学の教授を13年間務め、現場と大学で、遺伝子組換えの微生物を使用したアミノ酸発酵や核酸発酵(を利用した製品)の生産や、植物の研究などに携わってきました。また、長年、国の産業構造審議会の化学・バイオ部会組換えDNA技術小委員会の委員も務め、遺伝子組換え微生物の法制化、カルタヘナ法の法制化に当たってきました。
どの育種技術にも
国による規制は不要
----遺伝子組換え農作物の安全性評価には、生物多様性影響評価のカルタヘナ法、食品としての安全性の規制である食品衛生法、飼料としての安全性を規制する飼料安全法があります。遺伝子組換えやゲノム編集で育種された農作物の安全性評価について、法律面ではどんなご意見をお持ちですか。
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