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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

会社経営の会計処理の要点(1) 減価償却と借入返済

長寿経営の秘訣

年末年始は録画で撮りためた映画やドラマ、ドキュメンタリーを、倍速再生を駆使して片っ端から見た。そのなかで、CMを飛ばしただけでゆっくり見たのは、映画『陰陽師』である。主役を演じているのは、狂言師の野村萬斎だ。
狂言という伝統芸能を幅広い世代が楽しめるように、現代的なCGを織り交ぜた舞台を行なったり、俳優として映画などの映像作品に出演したり、彼の活躍の場は広い。そうした伝統を引き継ぐだけでなく時流に乗る努力を怠らない姿勢や血族で代々名跡を引き継ぐさまは、家業の伝承という意味では会社経営に通じるものがあるように思う。
そう感じたのは、動画視聴の合間に、帝国データバンクがまとめた『百年続く企業の条件』(朝日新書)を読破したせいかもしれない。長寿企業の話題は前回の続きになるが、財務データや歴史、社是や社訓から「老舗とは何か」に迫る内容で参考になる一冊だった。目論見としては、数値を根拠に企業が長続きするコツをここで紹介したかったのだが、解説されているほど経営分析結果や統計データに長寿たる特徴があるようには思えなかった。そこで、長寿企業の事例紹介の章で印象に残った「世代交代」「柔軟さ」「工夫」の3つのキーワードを取り上げる。
一つ目の世代交代は、これこそが経営存続の命題で、「上手に」といわれても成功方程式がないことは皆さんも承知のことである。特に血族で脈々と受け継ぐのは奇跡に近い業と心得ている。子供には生物的に形質が遺伝するが、生まれた時代や育つ環境、教育方法は異なり、自分と同じにはならないからだ。同族企業ならではの情報共有が日頃から徹底されていれば、継承もスムーズにいくであろう。しかし、むしろ他人に継承するほうが、うまくいけば社訓に代表される経営哲学が企業に残るという考え方もある。同書によれば、色あせない社訓とは、それを思いついた人の実体験を、時代が変わっても時のリーダーが納得できるかが鍵になるという。後継者が血族であれ他人であれ、大いに頷ける。
次に老舗ほど実は経営展開に柔軟さがあり、工夫が見られるという点である。資産が多く、財務的に経営基盤が整っていることより重要ではないだろうか。

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