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今年の市場相場を読む

いま高騰している野菜類の動向 キャベツ/ハクサイ/ホウレンソウ/レタス

野菜の動きがおかしい。東京市場の2017年の10月中旬は、前年が高騰したのとは対照的に、野菜のキロ平均単価が180円と近年まれに見る安さだった。しかし、その後は一転して上がり始め、例年相場が上がる12月下旬には、平年の3割高で360円を超えた。そして年明け。例年なら需要も落ち、入荷は大きく減少する。価格も240円程度にまで下がるものだが、今年の年明けには385円とさらに高騰している。これまで2~3カ月の推移と今後の見通しは、経験豊富な野菜のプロも「どうなるのか全く予想がつかない」とお手上げ状態だ。これら高騰野菜の動向を見てみよう。

キャベツ
年明けには前年の2.3倍も高騰。寒波で大被害

【概況】
東京市場におけるキャベツは、年間で入荷量も単価もほぼ平年並みだ。しかし、18年の年明け時点では、入荷量が前年を23%下回り、単価は2.3倍の248円と大きく高騰した。17年の12月時点では、それでも8%程度の入荷減で単価は約4割高だったが、年明けにはそれをはるかに超えた。この時期に豊富に出回るはずの葉物野菜やハクサイなどが高く、万能なキャベツに地場の小売店から地方の市場まで、さらなる需要が集まった。

【背景】
12月は、千葉を中心とする関東産地が前年並みの出荷だったが、半分を占める主産地・愛知が2割も減って、単価高を誘導してしまった。数量を補うために、東北や長野からの入荷や中国産までが入荷した。生育期の低温と干ばつ気味の天候の影響で、同じ現象がブロッコリーでも起きている。時々起きるこの時期の品薄を当て込んで、北海道ではほぼ捨てづくり的に雪中貯蔵をしたものだが、2年前の圃場被害がまだ尾を引いているのか。

【今後の対応】
キャベツはごく基本的な野菜だけに、1年中、どこの地域でも生産されているものだが、今年の冬は日本列島全般に寒気が強く、また日本海側の北から西まで広い範囲で豪雪に見舞われている。露地の大型野菜も葉物野菜もどの品目も少なくて高い現状では、さすがに困ったらキャベツという選択肢がなく、モヤシや豆苗など工場製品やカット野菜などを買うしかない。ただし、これも春に向かって天候も落ち着けば、需給関係は緩和してくるはずだ。

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