ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

いま高騰している野菜類の動向 キャベツ/ハクサイ/ホウレンソウ/レタス



ハクサイ
入荷増でも高騰した品質の問題。茨城で供給変わる

【概況】
東京市場のハクサイは、17年の10月には数量も多く単価も55円と、16年に142円と高騰したのとは対照的だ。しかし、11月の寒さで需要が強くなると81円、12月には105円と上昇し、年明けには146円に達した。今シーズンは冬の到来が早く、鍋需要が一気に来たための強気配だ。ただ、12月の単価は前年の26%も高かったが、入荷は10%増えており、年明けも46%もの単価高でも前年より5%多い。
【背景】
近年、市場では相対取引や契約的取引の割合が増えており、かつてより相場の乱高下は少なくなった。しかし、相場はあくまでも需給関係で決まっていくものだ。例年通りの生産であっても、ハクサイは暖冬ならあまり売れないし安く、厳冬ならこの時とばかりに売れて高くなる。ハクサイは日本人の冬の国民食・鍋物の必需野菜であり、しかもハクサイでかさ増ししないと成立しない、最強のバイプレーヤーなのだ。また、生食するハクサイの小売店需要は、鮮度がいい良質品である。
【今後の対応】
ヒントは冬場の圧倒的な主産地・茨城の産地事情にある。近年とくにハクサイの需要はキムチにとどめを刺す。漬物メーカーは、半年近い供給力のある茨城産を中心に取引契約をしている。茨城のハクサイ生産者は、安定した経営ができているが、そのためには需要先との契約内容を死守しなければならない。今年の茨城産は不作傾向で、出荷されるものは小玉傾向で品質は良くない。だからいいものはより高く、品質が悪くても高値傾向になる。

ホウレンソウ
寒さ好き品目でも極寒に生育が止まる。全滅状態に

【概況】
東京市場のホウレンソウは、17年の10月までは入荷量も前年より15%も多かったのだが、11~12月には前年同月の4割近く減って単価も2倍近く高くなった。年明けには前年よりやはり3割も少なく、単価は2.3倍と高騰した。11月出荷の作型が、想定外の寒さで途端に生育が止まったように遅れ始め、その後も寒波が続いていたため、寒さ好きといわれるホウレンソウも、遅れに遅れて年明けを迎えたのである。
【背景】
この時期、葉物野菜の中心はホウレンソウであり、最も美味しい旬である。その中心的な葉物が少ないため、やはり入荷が少ないコマツナは12月で85%高、シュンギクは64%高、入荷が減っていないチンゲンサイも、そのあおりを受けて54%高となっていた。こうした傾向は、年明けにはさらに強まっている。今シーズンは寒気が強く、まさに寒締めが商品的には面白いのであるが、なにしろ生育が遅れているために、本格化しない。出荷増が待たれる。

関連記事

powered by weblio