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新・農業経営者ルポ

農山漁村に根を張り、地域協同組合を引っ張るリーダー


介護が必要になってからの福祉に加え、健康寿命を延ばすための仕事づくりにも熱心だ。手先を使う内職でお金を稼ぎつつ脳を活性化させ、介護予防につなげている。パーティー用のクラッカーを詰める作業や、無茶々園で販売するアロマオイルに使うミカンの皮はぎ、無茶々園ブランドのタオルの包装などをデイサービスセンターなどに委託している。
何よりもピンピンコロリ。元気なうちは人のために働き、できる限り迷惑をかけずに一生を終える。そのための活動は地域の人たちと一緒にやる。これこそ無茶々園の目指す地域づくりだ。

事業は背伸びせず、
10年スパンで

福祉事業が本格的に始まったのはヘルパー講座を始めたじつに18年後。「苦節18年でようやく実現した」と振り返る大津は、事業は背伸びをせず、10年ぐらいのスパンでしなければならないというのを信条にしている。
「事業をやるのにだいたい20年かかっている。直営農場の黒字化には15年かかった。ベトナムとの連携を強化する活動も10年ほど前から始めている。これもそろそろ事業化を考えないと」
じっくり時間をかけるのは、やっていることの価値観を皆で見いだせなければ、単なる金儲けになってしまうと考えるからだ。
「お金ではない価値観をちゃんと打ち出して、共感してもらって、人に来てもらう。それが無茶々園の強みであり、DNA。そういう意味では、40年かかって農家の集まりから本当の地域の組織になった」
取引先や都市の消費者とのつながりを大切にして共感を得る。よそから人が来るくらい魅力的な価値観を打ち出しているから、実際、ど田舎でも若者が働きに来る。
一通り話を聞き終えてから、集落が一望できる高台に案内してもらった。すり鉢状の斜面の下に住宅と、真珠を養殖している海が見える。

お金プラスアルファの生活が
できるモデル

「ここ明浜は急傾斜地で、平野ならまだしも、ここでお金を稼ごうというのは無理なんよ」
大津は目指すものを「お金プラスアルファの暮らしというか、お金に頼らず楽しく暮らせる豊かな無茶々の里を作るということだ」と表現する。
「家族3人で売り上げ1000万円、経費が300万円で、所得が700万円。それで暮らしていけたらいい。そういうモデルを作ってきた」
父が離農したために継ぐ農地がなかった大津はいま、3反歩の土地でミカンを作っている。
「3反歩というのはこの辺の農家の最低限のロット。60歳くらいを目安に農業をやりたいから。農家として認められるために3反歩はやろうと思ってね」

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