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【採用時にやる気と
適性を見極める】
数年前に応募してきた20代と30代男性は、「悠々自適」を夢見てやってきた。長時間、ハサミやカマで収穫作業するような農業は、彼らにはできず、半年程度で辞めていった。人手が足りないからといって、来るものは拒まずの考えで採用すれば失敗する。そんな経験を踏まえ、いまは採用前にやる気と適性を見てから判断している。
たとえば、従業員の一人に、ダブルワーカーの40代の男性がいる。アルバイト採用だが、もともと農業が好きであることから採用し、長く勤めてもらっている。
また、子育て経験のある女性は手際が良く適性が高いことが多い。軟弱野菜の作業は、収穫だけではなく、出荷に伴う外側の葉を取り除く調製作業や、計量して袋詰めをする作業が発生する。
「子育ては、そのつど子供に対応しなければならない。農業も同じです。子育て経験のある女性は、臨機応変に作業できるので適性があります」
きちんと教育し、やる気を育てる農業は工業よりも、やる気があるかどうかが労働生産性に大きく影響する。製造工場であれば、製品がベルトコンベヤを自動的に流れてくるので、作業は受動的にならざるを得ない。ところが農業は能動的に作業をするものが多いため、生産性は本人のやる気次第。個人差が大きくなると、同じ時給の同僚たちの間に溝ができ、作業全体に支障を来すこともある。
【きちんとした経営なら
人も集まる】
どうやってやる気を育てるか。児島さんがまず始めたのは、朝と午後一の一日2回、全員で顔を合わせる打ち合わせである。そうすることで年間計画のもと、その日に行なう作業の目標が従業員それぞれ明確になる。
また、新人には作業教育を徹底している。新人にとって、熟練の人たちのなかに突然放り込まれて作業を覚えるのは辛いものだからである。
ポイントは、あいまいさを無くすことだ。たとえばホウレンソウなら外側の葉を3枚取り除くといったルールを決める。いわゆるOJTと呼ばれる現場での訓練もする。こうして新人のやる気と定着を図っている。
現在は、従業員たちのさらなる成長を考えているところ。児島園芸では、作物ごとに担当者が決まっており、時期によって互いの作業内容を調整している。地元のスーパーに出荷しているので、このチームワークがなければ必要な量を出荷できない。児島さんは、担当者同士がチームとして農業に当たる仕組みをつくっていきたいと話す。
「中長期のビジョンを共有し、地元の食卓を守っているという使命感を持ったチームをつくっていきたいと思います。きちんとした経営を見せることで、人も集まってくれるのではないかと思っています」
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