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特集

地域のマンパワーを活かす 人手不足をチャンスに変える活路


(取材/平井ゆか)

高齢者間交流 笹生農園(神奈川県相模原市)
コミュニケーション農業が
めざす「農と食」のかたち

笹生 剛さん:
2012年に農園レストラン「栗の里二本松店(現相模原インター店)」を開店。その2年後から「コミュニケーションとしての農業」に乗り出す。
経営概要:
12枚計約1haの借地で各種野菜を栽培。収穫物は出荷せず、レストラン客などに激安販売したり、無料配布したり。そのほか、小学校や幼稚園の体験学習、認定農業者の研修などにも場を提供している。
従業員:
レストランスタッフとは別に、高齢者支援センターなどを通じて農作業に来る高齢者が約50人。年齢層は75歳前後が多い。

そもそも発想が違う。優秀なスタッフを確保しようとか、作業の効率化を図ろうとか、売り上げを伸ばそうとか、そんな発想とは無縁な農業。笹生農園の笹生剛さんは「コミュニケーションとしての農業」と呼んだ。農園レストラン「栗の里相模原インター店」のオーナーでもある。むしろレストランのほうが本業だ。

【店を通して地元と
末永く付き合いたい】

耕作面積は約1ha。東京近郊では「大規模」の部類に入る。笹生さんは、畑がまだないときにトラクターを先買いした。借地するのに、手ぶらでは相手に信用されないと考えたからでもある。耕起などの機械作業は、本業の合間をみて、ほぼひとりでこなす。様々な農作業の「助っ人」となっているのが高齢者の方たちだ。
レストランを始めて2年目、笹生さんは市の相原高齢者支援センターや病院に足を運んだ。高齢者の交流の場として農園を利用してほしい。そう提案すると、市側も快く受け入れてくれた。
「農作業を手伝ってくれる人が欲しかったわけではありません。相模原に店を出したからには地元に根付いていきたい。そのために始めたことでした」
こうして最初は30人の高齢者が集まった。会の名称は、レストラン名を取って「栗の里じょいふる農園」。参加条件は65歳以上ということだけ。現在会員は50人近い。なかには認知症やリハビリ目的、義足の人もいる。ハンディキャップのある人は65歳以下でもかまわない。全体の男女比は3:7といったところだ。

【いまや農園の
欠かせない戦力に】

「ボケないように来てんのよ~!」
ある会員はこう話していた。
朝のラジオ体操を終えてから農園に流れ、作業とお茶を楽しみながら午前中を過ごすというのが典型的なパターンになっている。1回の参加費100円、月2回が原則ではあるが、繁忙期には作業が毎日続くことも珍しくない。声をかければすぐに集まってくる。

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