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会社経営の会計処理の要点(2) 減価償却と損益


通常の損益計算であれば、さらに減価償却費を差し引いた利益がいくらかに焦点を当てるが、ここでは収益から生産原価、人件費、一般管理費を差し引き、利益と減価償却費の合計として900万円が残るという計算をする。機械や施設への投資を企てる際には、この900万円を財源と考える。
生産に直接的にかかる原価や人件費、一般管理費はすでに努力して節約できていれば、それ以上は簡単に落とせるものではない。また、利益はいくら増えても歓迎だが、比例して税金の支払いノルマも増える。つまり、財源を増やすためには、利益をどうコントロールするかが課題となる。そこで、会社経営であれば任意に償却を選べて、中古で調達できれば費用化のスピードを早めることができるという特徴を持つ減価償却費を調整弁にしようというわけだ。
日頃からこうした損益計算を行なうためには、部門ごとに単位当たりの生産原価を正確に把握していることと、人件費と一般管理費の見通しが立っていることが前提となる。日常的な記帳とデータの蓄積から、経営指標をすらすらと計算できなくては、投資と節税のバランスを取るどころか財務状態を悪化させかねない。そのためにもとくに会社経営者は
損益計算の基礎を押さえておこう。

収支予測から資金繰りを
把握する達人になろう

では基本を踏まえたところで、先ほどの収益5000万円の経営が5年落ちの中古トラクターを500万円で購入することを想定して、話をもう少し展開していこうと思う。購入したトラクターは、自己資本を投じたか負債で調達したかを問わず、中古耐用年数は2年で200%償却なので、減価償却費の約500万円を費用化することができる。資本調達の違いは、資産の増加あるいは自己資本比率に表れる。
図2に手持ちの資金一括で購入したケースと、負債を借り入れて購入したケース、迷った挙句に購入しなかったケースに分けて財務2表の変化を示した。まず、自己資金を投じて購入した場合は、預金などが機械の資産に変わるだけで資産の総額は変わらない。総資本に対する自己資本の割合を示す自己資本比率を維持できるので、端的にいえば、次の投資に前向きになれるはずである。
その一方、負債で購入した場合には、購入した機械の分だけ資産が増える。同時に負債が増えれば当然ながら自己資本比率は下がる。自己資本比率は金融機関にしてみれば、融資先の審査時に有効な指標である。いざ事業を拡大したいと思ったときに融資を断られないような数値を維持しておきたい。また、財務2表の盲点は、負債には必ず償還が待っていることである。減価償却とは異なり、負債の償還は費用化できない。損益計算上は黒字でも、手持ちの資金がない場合は財務状況が苦しくなる。節税したつもりが、資金貧乏となっては意味がない。逃げ道として、減価償却は法人であれば、任意でできるので、このあたりを知っていることが肝となろう。

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