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今年の市場相場を読む

市場入荷野菜と輸入の相関関係 ジャガイモ/キャベツ/ブロッコリー/ホウレンソウ


キャベツ
輸入は春期に6割以上急増。加工専作産地の育成を

【概況】
17年における東京市場へのキャベツ入荷量は前年比102%とやや増の19万6000t。これに対して日本が輸入したキャベツは6割以上増えて3万8000tだ。とくに輸入は2月に前年の4.9倍、3月には9.4倍、そして4月には11倍にも達した。これはこの時期の主産地愛知の入荷が2月12%減、3月25%減となったため。また逆に輸入は10月に前年より7割減、11月は8割減となった。このとき、主産地群馬の単価が64%安、39%安だった。
【背景】
キャベツは、昔から家庭用はもとより業務加工需要者の最も重要な原材料である。野菜類のプリカット需要が増大するなかにあって、いまや必要量の確保には輸入による調整が不可欠になっている。輸入品は大口の業務加工業者が直接調達しており、東京市場では輸入品の入荷は17年ではわずか145tほどだったが、年明けから市場入荷が少なくて4月くらいまでの期間と、年末の12月に主産地愛知が2割減で55%も高くなった際に集中している。
【今後の対応】
キャベツはごく基本的な野菜で1年中、どこの地域でも生産されていて、生産量は200万t程度はあるはず。一方、前年より輸入が6割も増えたといっても、その数量は4万t程度で気にするほどの規模ではない。しかし、業務加工需要者は1年中、安定的にキャベツなどの原料を調達しなくてはならない。加工用を専作する産地を増やすことが目下のテーマだが、一方、需要者側も市場相場が安くても、産地との契約を守ることで産地を育てたい。

ブロッコリー
冷凍品輸入が5万tに迫る。露地不安定で生鮮離れか

【概況】
17年の東京市場へのブロッコリー入荷量は、前年より2割も増えた。とくに9~11月の入荷増が目覚ましい。そのあおりを受けてか、生鮮ブロッコリーの輸入量は前年の半分。生鮮輸入は最盛期には7万tもあったが、17年は1万3000t。輸入品を国産が代替した代表的な事例だ。一方、国内需要が安定していたはずの冷凍ブロッコリーは7%増え、5万tに近づいた。かつての生鮮の輸入ブロッコリーのような勢いだ。
【背景】
東京市場の入荷が17年は前年の2割も増えたが、実は前年である16年は年合計で1割減った年だった。さらに17年でとりわけ増加率が高かった9~11月は、16年では9~10月が2割前後の減、11月に至っては4割以上入荷が減っていた。この時期の主産地・北海道が9月で32%減、10月は50%減、11月には代わって主産地となる埼玉が62%減ったのだ。17年12月は前年を2割も減らし、その前の年も前年の4割減。2年続いての高騰だった。

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