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特集

追悼 松尾 雅彦


今はまだホップの段階ですが、ステップ、ジャンプに至った状態を指揮者の松尾氏に見せたかったです。
昆 庄内は最も米にしがみついている地域の一つです。松尾氏はいわば一番困難な場所から手をつけたわけですが、それだけに実現した場合のインパクトは大きいですね。
五十嵐 米が中心なのはその通りだと思います。ただ、庄内は地形的には『スマート・テロワール』の挿絵にあるような構想実現に最適な場所でもあります。さらに松尾氏は新しい全体像も描いていて、亡くなる前に突然「セントラル・サテライト農場構想」を言い出して、全国にサテライト農場を100カ所作ると意気軒高でした。
昆 庄内での取り組みが成功するよう願っていますし、我々としても松尾氏の志を受け継ぐつもりでできるだけ協力していくつもりです。最後にみなさん、松尾氏の印象的なエピソードがあればお願いします。
僕は松尾氏の「米はパンに必ず負ける」という発言が印象的で、食べ物は香りと食感が決め手なのに、米は香りが少ないうえに炊飯器の保温が香りと食感をますます悪くしている。だからパンに負けるんだというわけです。それから農村経営研究会ではいつも「30年後の村の姿を描け」と言っていました。
浅川 せっかく書いた何万字もの原稿を平気でご破算にするのが印象的でした。現実が変わったら、その変化を受け入れて対応する。まさしく破壊と創造の人でしたね。
五十嵐 松尾氏とはよく「自立した美しい農村を一緒に創っていこう」と話していたのですが、私たちが作成したモデルエリアの画像や庄内農地の利用構想図を見せると、「これいいね。議論の土台にしていこう」と皆で夢を持つ大切さを教えてくれた松尾氏のことが今も心に強く残っています。
昆 本日は長時間ありがとうございました。松尾雅彦氏のご冥福をお祈りいたします。

参考資料:中国新聞「生きて カルビー元社長 松尾雅彦さん」(2010年4月6日(1)~4月28日(15))

農工一体型商品開発
松尾雅彦の商品開発思想
美瑛の美しいジャガイモ畑の風景

阿紀 雅敏 元カルビー(株)上級常務執行役員/NPO法人食の安全と安心を科学する会副理事長

1977年にカルビーに入社以来、松尾雅彦さんには大変多く学ばせていただいた。カルビーがポテトチップス事業に参入したのは1975年で、私が「ポテトチップスコンソメパンチ」の開発を担当した時はまだ駆け出しのころで宇都宮にいた私には松尾さん(当時専務)は遥か雲の上の存在だった。カルビーにとってジャガイモ事業は大変な事業で商品開発と密接につながっているポテトチップスを中心に書かせていただく。

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