ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

追悼 松尾 雅彦


松尾さんはこのような長期的視野に立って神戸大学から保坂教授を招聘され帯広畜産大学に寄付講座を開設することを提案された。寄付講座は2012年にカルビー(株)、キユーピー(株)、ケンコーマヨネーズ(株)、北海道馬鈴しょ協議会、松尾雅彦氏(個人)の寄付により開設され、松尾さんは更に温室を寄付された。
昆社長から松尾雅彦氏の商品開発思想について書くように言われたが、どうしてもジャガイモの話に行きついた。今、農業の6次産業化が日本の成長戦略の一つとして推進されているが、松尾さんがリーダーシップを発揮されて推進したカルビーのポテト製品はまさに大掛かりな6次産業化であったといえる。
松尾さんの突然の訃報に大きな悲しみの中にいますが、ご冥福をお祈りいたします。合掌

スマート・テロワール
構想から実証までの歩み
30年先を見据えた地域自給圏構築の試み

平井 ゆか ライター

松尾雅彦氏は2014年12月に著書『スマート・テロワール 農村消滅論からの大転換』を上梓し、スマート・テロワール協会(17年4月17日一般社団法人化)を設立した。スマートは、「賢い」という意味。テロワールは、その地域独自の風土・景観・品種・栽培法などが育む「特徴ある地域」のことである。
松尾氏は、地域の農業、加工業、小売業、住民が一体となり、美しい景観と美味しい食が溢れた自給圏の構築を提唱し、その実現に向けて尽力した。これまで我々が目にしたのは、高いビジョンを掲げ、自ら力を尽くし、人々を集めて導くリーダーとしての松尾氏の姿であった。

【30年先のビジョンを描き次世代に引く継ぐ】

松尾氏は、著書の上梓以来、山形県や長野県をはじめ、長崎県、愛知県、栃木県、福島県、宮城県など全国各地で講演活動を行なってきた。講演では、スマート・テロワールの理論を土台に、それぞれ講演先の地域に合った戦略を提言している。たとえば、栃木県なら宇都宮餃子のあり方、長崎県なら漁業のあり方などである。いずれもカルビーの元経営者としての知識や経験を基にしている。さらにこれまでの知見に加え、講演先の地域の状況を念入りに調べ、その地域が抱える課題を分析し、その課題を克服する戦略を練るために、多くの時間を割いてきたことも書き添えておきたい。
また、国内外で視察を繰り返し、農業や農村の現場の人々と意見を交わしながら、最新の技術や手法を取り入れることにも積極的に取り組んだ。視察で得た情報は、次の講演で人々に伝授していった。

関連記事

powered by weblio