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今年の市場相場を読む

市場で輸入品の占有率が高い野菜は パプリカ/ニンニク/根ショウガ/カボチャ



ニンニク
中国産は半減しても主産地。高値でも産地化は慎重に

【概況】
07年における東京市場のニンニク入荷量は5000tを超え、中国がシェア58%で、単価は180円程度。38%の青森は1000円を超える単価であっても、全体では単価は500円だった。10年後の17年には、入荷量は33%も減ったが、単価は212%と2倍以上だ。この10年で中国産が消費に敬遠されて小売店から姿を消した、はずだったが、17年においても44%もの入荷減でもほぼ半分が中国産、青森は42%で2位である。
【背景】
17年には本場、青森は10年前より26%も減ってキロ1900円にもなり、半分を占める中国産はキロ390円。中国産の入荷減による単価高を期待して、ニンニク産地が各地に増えてはいるが、3位の香川がシェア5%に過ぎず、4位がスペインで2%程度。東京市場のニンニク入荷は輸入を含め38産地。だがブランド産地の青森と単価で勝負する中国産の極端な二強体制だ。そのため、小売店から中国産がほぼ消えても、ニンニクだけは例外のようだ。
【今後の対応】
ニンニクが高くても、一般家庭の使う量は知れている。だが業務用では、中国産は単価も安いし国産より辛くて臭いも強いため重宝されている。どこの町内にもあるラーメン屋や焼肉店、中華料理店は中国産がないと商売にならない。市場の統計だけみると、中国産が敬遠されて入荷が減り、そのために単価が高くなったように見える。入荷が少ないから高いのではなく、安い中国産が減ったので平均では高くなったというだけのこと。勘違い は危険だ。

根ショウガ
入荷の3割占める中国産。生鮮も加工品も消費拡大

【概況】
07年の東京市場における根ショウガの47%が輸入品(100%中国)で、2位の高知が40%。3位は新ショウガに強い和歌山だがシェアは5%。ニンニク同様に中国産が消費者から敬遠されたことで、17年には入荷量が25%減って単価は26%高くなった。トップは49%で高知が返り咲く。小売店では「中国産」表示はほとんど見なくなったが、市場入荷では中国産が29%を占めて2位。3位和歌山9%に大差をつけている。
【背景】
根ショウガの需要構造は、ニンニクとほぼ同じで一般家庭での利用頻度は低い。しかし中華系の料理では、欠かせない調味料であり、中国産の香りの強さや辛味が評価される。17年の平均単価で622円、高知産はマイルドな品種や安定供給体制の確立で780円。これに対して、中国産は平均単価の半値307円である。中国産のショウガはニンニク以上に小売店頭では見かけないのは、高知産が系統も商系も数量、価格とも安定しているからだ。

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