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特集

追悼 松尾 雅彦 後編

[再録]
特別インタビュー企画
これからの農業・農村の道しるべ 【前編】非市場経済をどう成立させるか
元カルビー(株)社長 松尾 雅彦氏 × 法政大学大学院 教授 小川 孔輔氏

こちらから無料で記事が閲覧できます。
https://agri-biz.jp/item/detail/4398
特別インタビュー企画
これからの農業・農村の道しるべ 【後編】人材と情報を地域にどう集結させるか
元カルビー(株)社長 松尾 雅彦氏 × 法政大学大学院 教授 小川 孔輔氏

再掲載の特別インタビュー前編に続き、後編を新規掲載でお届けする。地域自給圏ひいては非市場経済を担う人材をどうやってつくっていくか。話は「公共」の在り方にまで展開していった。 (司会進行/昆吉則、文/加藤祐子)

なぜ日本の農学部は現場の役に立たないのか

--前編では、地域の自給圏のなかに非市場経済をどう築くかという手法について伺いました。後編ではそれを担う人材や情報を地域のなかでどう組織していくのか、主にソフト面についてお話しいただきたいと思います。
小川孔輔(法政大学大学院教授) 地方の大学には農学部があって研究者がいますが、『スマート・テロワール』の本には大学や学者が農業現場の役に立っていないとありました。
松尾雅彦(カルビー(株)相談役) 戦後に政府が、農学部の先生方が現場を指導できないようにしたんですよ。
小川 その辺りの事情をよく知らないので、詳しく教えてください。
--米国では大学が現場の経営も含めて指導する体制をとっていますが、日本が戦後に導入したとき、大学ではなく、農林水産省の下部組織の都道府県農林部のなかに普及所として入れてしまったんです。
松尾 いろいろと試行錯誤して合っているとか間違っているとか言い合って、学説を変えていくのが大学でしょう。その仕事を行政がやると、制度をつくって補助金を付けるから、間違えられなくなるんですよ。
--日本の大学の農学部はいわば指導者あるいは官僚育成の場になっています。農学部は全国に数多くあるのに、現場とつながらないで政治とつながってしまうわけです。日本の農業はそれが繰り返されて、政治が過剰に関与して、行政が隷属していると指摘されているわけです。
松尾 その補助金で政治家は票を買うわけで、減反政策もあれは間違いだと言われても変えられませんでした。士農工商がいまだに残っているんですよ。
小川 松尾さんは米国の大学を回られていますが、向こうの大学は現場にどう関わっているのですか?

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