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特集

追悼 松尾 雅彦 後編


松尾 いい人は地方にもいっぱいいるわけですが、彼らが活躍できる場をつくらなければいけません。講演に行けば、必ず我われはどうすればそれを実証できるのかという質問を受けます。最初のうちは私企業が中核にはなれないので、公の試験場でやってみて、広がるものができたらまた来ますと答えています。研究者と農家しかなくて、その間の臨床がないのですから、そのエクステンション活動にも彼らが働く場ができます。
--社会のあらゆるところで、研究と臨床が一体になっていないわけですね。
小川 我われの経営学でもそうです。私は臨床に相当することばかりやっていますが、現実に突っ込む人があまりいなくて、農業や食べ物には興味がありません。ITとか消費者行動とか論文を書きやすいテーマで研究をしています。大学が役に立たないという意味がわかりました。

山形大学で実証する日本農業の「臨床」の場

小川 山形大学でいろいろ挑戦されているそうですが、どんなことをされているんですか?
松尾 まず、山形大学の農学部に寄附講座を開設しました。それは庄内地方にスマート・テロワールのモデルをつくるためです。
--合わせて1億7500万円の寄付だそうです。
小川 狙いを教えてください。
松尾 5年後には、山形大学のエクステンションセンターになるというビジョンを持ちなさいと話しています。山形など東北は水田ばかりなので、とくにいまはジャガイモや大豆などの畑作と畜産を連携させて、加工業と結ぶ取り組みをしています。庄内地方で興して、そこから広げていくという計画です。大学のなかだけでやっていてはダメですからね。将来、民間で同じようなことを始めたときに、困ったことがあっても駆け込める場所をつくっています。
小川 農学部の先生が中心になって進めているのですか?
松尾 鶴岡市にある農学部附属やまがたフィールド科学センターを拠点に、前回お話ししたような耕畜連携や、大豆の生産者と豆腐などの加工メーカーとの契約栽培、畜産家と畜肉加工場との連携、流通システムの構築、それから学校給食との連携などを進めています。
小川 何年計画ですか?
松尾 私がお金を出すのは5年間です。成長しなければ5年でやめますよ。完成するには最低10年はかかると思います。日本では育種でもちょろ
ちょろと植えたくらいで試験栽培と言っていますが、欧米では広い農場
でもって、農家が実際にやっている

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