ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

追悼 松尾 雅彦 後編


技術サイクルで実証試験をして成功したか確認するわけです。いまは試験場でやっていますが、民間が中心となって5haくらいで事業者の入ったチームをつくってほしいですね。
--日本では農水省と県、大学が独立していますが、現場ではもっと自由な発想で取り組んだらいいのではないでしょうか。
松尾 まず、人材と情報のプラットホームをつくるところから始めましたが、実績をつくりさえすればそこにみんな寄ってきますよ。政治や理屈だけで何が必要なのか知らない国がやると、中身のないエクステンションセンターというハコモノをつくって借金を増やすだけですから、国はやらないほうがいいでしょう。

30年後の将来図を描けば若者は地域に集まる

小川 もうひとつ私が気になっているのは、人の問題です。働く場所があって、楽しく暮らせて、やりがいがあれば若者も田舎に帰ると思いますが、地元の秋田を見ていると年寄りしかいません。
松尾 政府が予算を付けていて、山形大学でも17年から農村に移住する人のための教育を始めています。私も講座を受け持っていますが、いまの農業で教えてほしくない……。
小川 どうしてですか?
松尾 コメと果物と野菜の農業を学んでも、前回話したような同士討ちにしかなりません。後出しした者が成功するでしょう。政府は農村に移住する人の受け入れ体制を整えるように号令を出していますが、流行のICTを使った農業だとかそういう話ばかりしてね。そこにお金が出ているのが現実です。
小川 それは基本ではありませんね。あくまでも手段ですから。
松尾 あくまでも農村が新しい枠組みに入っていくことに耐えられる人材を育てないといけません。そのために、山形大学では教育の仮説実証をやっています。最低3年かかると思いますが……。
小川 教育への投資が必要ですね。
松尾 若い人は希望が高いです。ですから、ビジョンを掲げて、ぜひ来てほしいというメッセージを打つんですよ。庄内は5年後くらいにはスマート・テロワールで「ホラ」をかますことできるわけです。
小川 ホラね!
--従来の農村に調和することも必要ですが、飛び抜けられるような人が出てきて、生産だけでなく、加工業者や小売業者、消費者とうまく連携することが肝心なんですよね。農業には若者が結構集まるようになっていますが、それと同じように地方の小売業や加工業にも都会の若者が魅力を感じるようにアピールをするということも可能だと思います。

関連記事

powered by weblio