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昆 それはまさに祥孝さんがおっしゃった「ただの太陽、ただの水、ただの微生物を活かすのが農業の仕事であり、そのための道具を我われは提供している」という認識に通じますね。イデオロギー的な有機農業のように農薬や化学肥料を全否定するわけではなくて、非常に真っ当な思考だと思います。
渡邊 化学肥料や農薬に頼りすぎず、バランスよく利用しようというわけですからね。
昆 水田農業が兼業化する時代には、ロータリーは合理的な機械でした。でも、農業そのものが産業として変わろうとしているいま、実はスガノが取り組んできたことは、時代の先取りだったと思います。
渡邊 とにかくプレスをかけて、土の力をなくして、水を張ってというやりかたとはまったく違う発想ですよね。素人考えですけど、表面の土だけで作物をつくるよりも、刃を深く入れて土を反転させていくことで表層の土はゆっくり休ませることもできますし、土の力を常に引き出すようなことをするプラウの力はすごいと思います。
昆 そのお考えを伺って安心しました。祥孝さんは30年くらい前にプラウを普及するのはイスラム教徒を仏教徒に変えるくらい困難な仕事だと話されていましたが、北海道ではある程度プラウが定着しても、府県ではまったく変わらなかったわけです。それがこの30年間で時代が変わってきました。スガノの皆さんには自信と誇りを持っていただきたいと思いますし、今後も現場で挑戦を続ける農業経営者たちの背中を押していただけたらと思います。
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渡邊信夫 ワタナベノブオ
代表取締役
スガノ農機(株)
1949年大阪府生まれ。関西学院大学を卒業後、71年に三越へ入社。営業推進部長、購買管理部長などを歴任。2002年に関西学院大学東京キャンパス長に就き、約10年間大学運営に携わる。退官後、企業再生プロジェクトに参画する。15年4月に老舗の和食器卸・小売業、(株)たち吉の代表取締役社長に就任し、「たち吉」ブランドの復権を懸けて初年度に黒字化を達成するなど企業再建に尽力(17年6月に退任)。17年12月より現職。
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